技能実習生が帰国するタイミングと手続き

2021年12月14日   ブログ

技能実習生の「帰国」には、また日本へ戻って来る一時帰国と、もう日本へは戻らない完全な帰国の2種類があります。

 

今回は、それぞれの帰国がどのような時に必要になるか、また、その時どんな手続きが必要か説明します。

 

技能実習生を雇用している企業にとって、技能実習生の「帰国」は避けて通れません。

いざその時になって慌てないよう、ぜひ今回の記事をお読みいただき、事前に知識を身につけておきましょう。

 

 

1 一時帰国と必要な手続き

 

技能実習生が一時的に帰国するのには次の2つのパターンがあります。

  • 「技能実習法で規定されている帰国」
  • 「本人の申し出による帰国」

それぞれのパターンについて説明していきます。

 

技能実習法で規定されている一時帰国について

技能実習生本人や企業の意思に関わらず、必ず帰国しなくてはならないのが、技能実習法の定めによる、一時帰国です。

帰国のタイミングは、技能実習2号の期間が終了した時です。

技能実習期間が2号までの場合はもちろん(この場合は完全な帰国になります)、3号に移行する場合も、以下の2期間のいずれかで一時帰国する必要があります。

 

  1. 技能実習3号の開始前に1ケ月以上一時帰国する
  2. 技能実習3号の開始後1年以内に、1ケ月以上、1年未満の期間で一時帰国する

 

なお、2号で実習を終え、完全に帰国する際の費用は、監理団体(企業単独型の場合は実習実施者)の負担となります。

一方、3号を開始する為の一時帰国の為の費用に関しては、技能実習生と話し合い、負担を分担することも可能です。

 

もし、本人がこの法定帰国を拒否すると、在留期間更新許可申請が下りない可能性があります
また、雇用する企業も、実習監理が適切に行われていないと判断され、監理団体の許可を取り消されるかもしれません。

そうなれば双方にとって大きな損失です。

この一時帰国の必要性については、事前に本人にしっかり理解してもらっておきましょう。

 

本人の申し出による一時帰国について

母国の身内に不幸があった場合など、技能実習生自身が一時帰国を希望するケースです。

企業は、忌引きや有休扱いにするなどの配慮をしましょう。

以下は、こうした一時帰国の際に企業がやることと、再入国の際の注意点です。

 

一時帰国までにやること

  • 一時帰国したい理由を実習生から聞き取りする。
  • 監理団体に報告し、一時帰国の了承を得る。
  • 帰国(費用は実習生自身が負担しても可)

※1ケ月の実習時間が80時間未満の場合、一時帰国すると技能実習計画の変更が必要になります。

 

「みなし再入国許可」制度で入国する

帰国する際は、みなし再入国許可制度(※1)で入国します。

その場合、制度の適用条件である「再入国が在留期限内である」かに注意してください。

また、「みなし再入国許可」受けるためには、出国時に空港などで書類上で意思表示をする必要があります。
それをせず出国してしまうと「単純出国」となり、在留資格を失ってしまいます。

この点については、実習生が間違えないよう、企業側のフォローが必要です。
(※1)在留資格を持つ外国人が所定の条件を満たして日本に再入国する場合に、通常の再入国許可の取得を不要とする制度

2 完全に帰国する場合

次に、技能実習生が一時帰国ではなく、完全に母国に帰る場合の手続きについて説明します。

完全に帰国することになるケース

 

  • 病気や怪我により実習継続が困難になった場合
  • 試験に落ち、技能実習2号への移行できなかった場合

 

帰国までの日程調整

技能実習生が帰国することが決まったら、実習生・企業・監理団体の三者で協議し、在留期間内で退職日と帰国日を決めます。

帰国に際しては、次項でお伝えする、諸手続きも必要となるので、余裕を持った日程設定が必要です。

帰国に伴う社内手続き

  • 給与の支給

帰国する実習生への最後の給与は、実習生が帰国する前に、振込みにて支給しましょう。
もしくは、最終出勤月の給与は、日割り計算などで、現金支給しても良いでしょう。

  • 年末調整の実施

技能実習生が帰国する際は、最後の賃金で年末調整を行い、所得税を清算しましょう

  • 社会保険喪失手続き

技能実習生は、厚生年金脱退一時金の受給対象です。

そのため、社会保険喪失手続きや年金手帳の返却が必要です。
また、健康保険証の回収も忘れないようにしましょう。

  • 住民税の清算

技能実習生が住民税を分割で支払っている場合、帰国時に未払い分の精算が必要です。
清算方法については、監理団体と相談して決めましょう。

帰国に伴う社外手続き

帰国に際しては、実習生自身が行うべき生活上の手続きも色々あります。

ここでは、主だった3つについて説明します。
手続きが煩雑なものもありますので、企業側でもフォローするようにしましょう。

①市区町村への転出届

技能実習生は、帰国する際、住民登録をした市区町村へ転出届を提出する必要があります。
前項で述べた、厚生年金脱退一時金の支給条件にも「日本国内に住所を有していないこと」が含まれています。

その為、転出届を出さないと、脱退一時金の支給が遅れることもあります。

➁離職届・雇用保険被保険者資格喪失届

退職に伴い、管轄のハローワークへ離職届と雇用保険被保険者資格喪失届を提出する必要があります。

提出期間は退職日の翌日から起算して10日以内です。

 

③携帯電話・ネットの解約

技能実習生が個人で携帯電話やインターネットを契約している場合、解約手続きが必要です。

解約せず帰国されてしまうと、帰国後に発生した料金を企業が肩代わりしなくてはいけなくなることもあります。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は技能実習生の帰国と、それに伴う手続きについて説明しました。

実習生自身が行う手続きについても、企業のフォローがあるとスムーズに進みます。

ぜひ、雇用主として実習生が無事帰国できるよう、最後までフォローしてあげましょう。