技能実習生のお給料ってどうやって決めるの?

2021年12月7日   ブログ

技能実習生を受け入れる際、問題となる項目の一つとして「お給料問題」があります。

新入社員や未経験のアルバイトと同じにする?
最低賃金でもいいの?

など、外国人材ならではの疑問点がたくさん出てくるはずです。

 

ここでは、技能実習生のお給料について、考え方をご紹介したいと思います。

 

最低賃金でもいいの?

まず、「技能実習生だから最低賃金でOK」ということはありません。

監理団体の中には「最低賃金で働かせることができてコストがかからない」などという謳い文句で実習生を受け入れてもらおうとしている悪質な団体もあります。

結果的に最低賃金になってしまうという事はありますが、一人の人間として、適正な賃金設定をすることが求められます。

 

もちろん、最低賃金以下に設定することはできません。

 

監理団体への費用がある

日本人と技能実習生との違いは、監理団体が間に入っていることです。

そのため、日本人のアルバイトや新入社員を雇い入れる場合とは人件費に差が出てきます。

 

技能実習生を受け入れるためにかかる費用は

  1. 監理団体への入会金や年会金
  2. 現地に面接に行く場合はその渡航費
  3. 技能実習来日時の講習費や生活費など(企業に配属されるまでの1か月)
  4. 受け入れてからの月々の監理費用

 

合計30~70万くらいはコストがかかってきますし、監理団体には月々1人あたり数万円の支払いが続きます。

 

 

ですが、考え方を変えれば日本人の採用にもコストはかかっています。

 

  1. 求人広告・サイト掲載料
  2. 求職者セミナー
  3. 学校訪問、OB訪問
  4. インターンシップのセッティング

 

大手求人サイトなどでは掲載料が100万円を超す場合も。
面接のセッティングやセミナーの開催などもほとんどの企業は自社で行うことが多いため、その分人件費もかかります。

 

このように見ていくと、日本人を雇用する際にもたくさんの費用がかかるのがわかりますね。

「技能実習生だからお金がかかる」という考えも、すこし違った目線で考えられるのではないでしょうか。

 

社会保険料の企業負担もある

雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険といった労働保険と社会保険も、技能実習生には加入させなければなりません。

「雇用保険なんて使わないだろう」「数年後に帰国するなら年金もいらない」と思っても、加入要件にあてはまるならば必要です。

 

労働基準法も適用される

技能実習生は外人だから日本の法律は関係ないのだと豪語する経営者もいるようです。

そんなことはもちろん無く、技能実習生は1人の労働者として労働基準法などで保護されています。

賃金面では時間外、休日、深夜割増も適用されます。

時間外は25%、深夜(22時~午前5時)までは25%、休日労働は35%の割増が必要です。

 

例えば、時給1,000円の技能実習生が22時から0時まで2時間残業をする場合

【基本時給】

1,000円×2時間=2,000円

【時間外割増】

1,000円×25%×2時間=500円

【深夜割割増】

1,000円×25%×2時間=500円

 

合計3,000円を支払わなければなりません。

労働時間についても年次有給休暇、残業の上限規制、労使協定、就業規則による制限を受けます。

 

賃金設定の方法

「技能実習生は安く使える」という営業トークはどうやら違うということに、気づいてきましたよね。

では、技能実習生の賃金設定はどうすればよいのでしょか。

答えとしては、実習生の技能・責任に応じた賃金にしなければなりません。

 

同一労働同一賃金に関する法が大企業で2020年4月、中小企業で2021年4月から適用されるようになったことも背景にはあります。

 

この法には外国人による差を認めておらず、技能実習生は「有期労働者」として適用対象となります。

これにより、技能実習生が日本人と全く同じ仕事内容・責任を負っているのに、不当な差がある場合は違法とされる可能性が高くなりました。

 

今までとは発想の転換が不可欠

経営者としては人件費を総額で捉えますよね。

例えば「1人あたり総額22万円のお金が出ていく」と考えたときの発想はこうでしょう。

 

費用総額22万円 - 監理団体への支払4万円 + 保険料の企業負担3万
= 技能実習生の給料15万円

 

「監理団体分と保険料を引くと、技能実習生に支払えるのは15万円くらいまで。最低賃金以上にギリギリ納まるから大丈夫だ。残業代が多すぎれば誤魔化せばいいだろう」

 

技能実習生制度が始まったころは、このような話が多かったのは事実でしょう。
「予算から各費用を差し引いて残ったものが、技能実習生の取り分」という考え方です。

 

ですが、技能実習生の賃金は仕事内容と責任を反映したものでなければなりません。

 

技能実習生の給料 + 保険料の企業負担 + 監理団体への支払 = 費用総額

今までとは発想を変える必要が生まれているのです。

 

まとめ

技能実習生は日本の労働基準法など法律によって保護をされています。

本人たちの給料だけではなく、さまざまな費用も加わってきます。

 

技能実習生が「最低賃金でも働いてくれる」という考えは既に時代遅れ。

日本以上に魅力的な条件で外国人を受入れる国が増えているからです。

 

「都合の良い労働力」と考えたままでいると、日本を選ぶ外国人はどんどん減ってしまいますよね。

日本人同様、一個人としての能力を反映させた賃金設定をする必要があります。