技能実習生は製造分野のイメージが強いですが、介護分野でも活躍しているのをご存知でしょうか。
介護は高齢者の利用者がメインであり、医療的な専門性も求められます。
そのため、通常の技能実習との違いもあります。
介護分野での技能実習生の特徴について見ていきましょう。
介護の歴史
日本の介護の歴史は半世紀を超えています。
戦後まもなく訪問介護などの制度が徐々に生まれていきました。
今でも介護は家族がするものであるという意識がありますよね。
そのため、当時の介護制度は「貧困対策」としての側面が強いものでした。
戦争終結から20年ほどたった1960年代から老人福祉法の制定など国の制度として、しっかりと確立されることになりました。
1980年代後半になると少子高齢社会が本格化します。
2000年4月からは介護保険法が制定され、さらに充実することになります。
現在は「超高齢社会」と呼ばれ介護分野での人材は常に不足する状況です。
2025年では約40万人弱が不足すると見込まれています。
鳥取県の人口が55万人なのでいかに厳しい状況かがわかりますよね。
ここまで高齢化が進んだ国は世界に他にありませんが、逆にとらえれば日本の強みでもあります。
アメリカや中国がIT分野でイノベーションを次々と起こしているように、日本の介護分野では最先端の技術やノウハウを持っているのです。
介護と技能実習
介護分野での技能実習が可能になったのは2017年11月です。
製造分野と違い医療との関わりが深い介護分野の歴史はまだ浅いと言えるでしょう。
介護分野も人材確保を目的とするのではなく、技術移転を目的として考えられています。
ですが、介護サービス特性に対応するために、他にはない条件が加えられています。
コミュニケーション能力
介護では利用者と親密に意思疎通をしなければなりません。
高齢者の意図を細かく知るには日本語力が大切です。
技能実習生は1年目でN4(基本的な日本語が理解できる)レベルが必須となります。
2年目ではN3(日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる)が望ましいとされています。
事業者の条件
技能実習生を受入れる事業者は経営が一定程度安定していて、設立後3年を経過していないと対象になりません。
さらに介護福祉士国家資格の実務経験対象施設として扱われている必要もあります(ただし訪問系サービスは対象外)。
これは介護がちゃんと行われている職場かをチェックするためです。
適切な実習を行う体制があるかどうか
技能実習生の受入人数に制限があり、常勤の介護職員の総数に応じて設定されます。
技能実習生ばかりになるのを防ぐため、介護職員の総数が上限とされています。
指導員にも条件があります。
技能実習生5名につき1名以上をつけなければならず、そのうち1名以上は介護福祉士など有資格者でなければなりません。
入国時の講習にも介護の基礎的事項が必要です。
夜勤勤務も単独ではできず、声掛けができる範囲内に介護職員が配置されていなければなりません。
監理団体にも制限がある
受入れ事業所をチェックする監理団体にも要件があります。
監理団体の役職員に5年以上の実務経験を有する介護福祉士などをおかなければなりません。
他の業種にはない厳しい条件といえるでしょう。
誰でも介護技能実習生にはなれない!
技能実習生は技術移転が目的なこともあり、実務経験が求められることは基本的にありません。
ですが、介護分野では「団体監理型」で実施するには実務経験が求められます。
具体的な条件を見てみましょう。
- 外国の高齢者や障害者の介護施設等で、日常生活上の世話、機能訓練、療養上の世話などの実務経験がある
- 外国の看護課程を修了している
- 外国の看護師資格を取得している
- 外国の介護士認定などの資格を取得している
しかし、国によっては介護という概念そのものがないケースもあります。
そこで「団体監理型技能実習に従事することを必要とする特別な事情があること」という条件も設けられています。
- 教育機関において同種の業務に関連する教育課程(6か月以上又は320時間以上)を修了している場合(修了見込みの場合も含む。)
- 技能実習生が技能実習を行う必要性を具体的に説明でき、かつ、技能実習を行うために必要な最低限の訓練(2ヵ月以上かつ320時間以上の課程)を受けている場合
- 実習実施者または監理団体と送出国との間の技術協力上特に必要があると認められる場合
このように実務経験や資格がなくても介護分野の技能実習生として活躍できる可能性があります。
技能実習生を受入れる職場のメリットとは?
介護分野で技能実習生を受入れた事業所でよく聞かれる声があります。
1つは「職場が明るくなった」です。
海外からわざわざ日本で来る技能実習生はモチベーションも高く活気があります。
日本人の介護職員の刺激にもなるようです。
もう1つは全体の指導力向上です。
技能実習生は文化も言葉も違います。
1つ1つしっかりと指導をしないと育ちにくいと言えるでしょう。
いままで「当たり前」と思っていたことも「なぜだろう」と振り返る機会になります。
コミュニケーションの仕組みも改善され、より働きやすい職場環境に繋がることもあります。
まとめ
日本での介護分野は世界でも最先端で多くのノウハウを持っています。
技能実習生では技術移転を目的に2017年から技能実習制度の対象となりました。
まだ始まったばかりで課題も少なくありません。
ですが、受入れ人数は年々拡大をし、人材不足の介護現場の助けにもなっています。
ふれんど協同組合では受入れまでの教育はもちろん、配属後のアフターフォローもスピーディーに対応致します。
特に主力である介護分野では経験豊富なスタッフがおり、今までのノウハウを活かしてサポートを行っています。
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