外国人技能実習制度の【優良認定】を受けるメリットを解説!

2021年11月24日   ブログ

「優秀な実習実施者」という言葉を聞いたことがありますか?

2021年11月現在、技能実習制度には1〜3号までがありますが、この3号の受け入れや移行についての条件が優秀な実習実施者であることなのです。

今回は、優良認定を受けるメリットについて、その要件と共に簡単にご紹介いたします。

優良認定を受けるメリットは?

  1. 技能実習の期間を最大5年まで延長できる
  2. 受け入れ可能な技能実習生の数を増やせる

 

この2点が、一番のメリットと言えるでしょう。

 

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

①技能実習の期間を最大5年まで延長できる

技能実習生は1号、2号、3号に分けられています。

技能実習1号の在留期間は通算1年で、その間に基礎的な技能検定または技能実習評価試験(実技・学科)を受けることになります。

これに合格することで、技能実習2号への移行が認められます

 

技能実習2号の在留期間は通算2年ですので、合計3年間の実習で帰国する実習生がほとんどです。

4年目も技能実習3号として日本に残って技能を習得したい!
という実習生は、1号から2号の時と同様に技能検定または技能実習評価試験の実技・学科を合格する必要があります。

 

ですが、2号から3号への移行は本人の合格だけではできません

実習実施者(企業)が外国人技能実習機関より優良認定を受けていなければなりません。

 

両方を満たした場合に、技能実習3号に2年を超えない範囲で更新ができます。
ただし、一時帰国は必要になります。

 

この制度により、

  • 技能実習1号 1年 
  • 技能実習2号 2年
  • 技能実習3号 2年

合計で通算最大5年間に延長ができるのです。

期間が長くなるほど、技能実習生の技能・語学レベルは高くなり、新たに雇用するスパンが長くなることで、教育と管理コストを大幅に抑えることができます。

 

②受け入れ可能な技能実習生の数を増やせる

技能実習生の受入可能人数は、企業人数(雇用保険加入者)によって人数枠が定められています

ただの労働力として大量に雇用するのを防ぐという観点と、技能実習を適切に行うことができるようにするためです。

 

優良認定を受けている場合、号にもよりますが人数枠の2倍~6倍の人数を受入れることが可能になります。
基本的な考えとしては、優良認定を受けていると2倍の人数を常時運用できることになります。

 

優良な実習実施者の基準とは?

では、どのような基準で認定されるのでしょうか?

 

認定を受けるには「優良な実習実施者の要件」をクリアしなければなりません。
基準は150点満点で90点以上、つまり6割獲得が条件です。

 

では、早速認定されるための要件を見ていきましょう。(カッコ内は満点)

 

  • 技能等の修得等に係る実績(70点)
    ⇒過去3技能実習年度の基礎級、3級、2級程度の技能検定等の合格率…など
  • 技能実習を行わせる体制(10点)
    ⇒直近過去3年以内の技能実習指導員、生活指導員の講習受講歴
  • 技能実習生の待遇(10点)
    ⇒・第1号技能実習生の賃金と最低賃金の比較
    ・技能実習の各段階の賃金の昇給率
  • 法令違反・問題の発生状況(5点(違反等あれば大幅減点))
    ⇒・直近過去3年以内の改善命令の実績、失踪の割合
    ・直近過去3年以内に実習実施者に責めのある失踪の有無
  • 相談・支援体制(旧配点15点、新配点:45点)
    ⇒・母国語で相談できる相談員の確保
    ・他の機関で実習継続が困難となった技能実習生の受入実績
    ・実習先変更支援サイトへの受入れ可能人数の登録…など
  • 地域社会との共生(10点)
    ⇒・技能実習生に対する日本語学習の支援
    ・地域社会との交流を行う機会・日本文化を学ぶ機会の提供)…など

 

各項目の詳しい配点は、以下の画像をご参照ください。

(出典:法務省 出入国在留管理庁 厚生労働省 人材開発統括官「外国人技能実習制度について」より)

※令和2年11月から令和3年10月までは旧制度が選択できたので表記がありますが、この記事を書いている令和3年11月現在は選択できません。

 

さて、この項目を見てみると、加点だけではなく減点方式を取っていることが特徴としてあげられます。

例えば、①の要件で満点を取っていたとしても、④の法令違反で引っかかってしまえば最大でマイナス130点にもなってしまうのです。

 

そのような極端な例は少ないにしろ、いかに法令を守ることが技能実習制度を導入する点で重要視されているかがわかりますね。

 

さらに、新制度では⑤の相談・支援体制に力を入れています。

他の企業で実習が困難になってしまった実習生を受け入れた場合、旧配点では5点なのに対して新配点では最大25点と大幅な点数アップです。

また、新制度から設けられた項目として

「他の企業で実習が困難になってしまった実習生に、引き続き実習を行う機会を与えるための実習先変更支援サイトに監理団体を通じて受け入れ可能人数を登録している」

という加点項目もできました。

 

これらの項目からわかるように、受け入れ企業により実習生の保護を意識づけているのです。

 

まとめ

技能実習制度の優良認定を受けると、受入期間を伸ばし、人数を増やすことが出来るようになります。
技能実習制度を有効に活用していくには必要なことでしょう。

 

認定の基準点数は合計点の6割以上です。
過去の実績や取組がしっかりと確認されるので、日々の努力や対策が反映される形になっています。

 

難しいと思われがちですが、技能実習生を一人の人間として真剣に取り組み、地道に改善や対策を続けていれば無理難題ではありません。

優良な実習実施者を目指して、会社全体で取り組んでいきましょう!