【外国人技能実習制度】活用検討中の組合員さまへ★技能実習制度について解説!

2021年11月2日   ブログ

「技能実習生」や「特定技能」など、外国からの受入として、様々な施策を国が打ち出しています。

日本国が、グローバル化へ変化していくのも、そう遠くはありません。

この章では、「外国人技能実習制度」について簡単に解説を行っていきます。

現在、ご検討されている企業様のご参考になれば嬉しいです。

 

技能実習制度の始まり

技能実習制度は1993年に、海外の現地法人などの社員教育の研修制度が評価を受け、制度化されたものです。

簡単に説明するのであれば、海外の人材をこの技能実習制度に則り、技能の転換を目的に海外の人材を日本の企業で受入をする為の制度です。

この制度の利用を考えている企業担当者の方は、この制度の成り立ちと目的を理解しておくことが非常に重要となります。

 

ここを間違えてはいけない!技能実習制度を利用する上での理解

まず前提として、技能実習制度とはあくまでも技能の転換が目的となります。

制度を利用する目的として最もよくある勘違いは・・・

  • 安く雇える(コスト削減)
  • 労働力として扱う
  • 時間なども関係なく働かせることができる・・・

採用担当者であれば、技能実習生の受入を行なっている監理団体から、こういった謳い文句で営業を受ける経験が一度はあったのではないでしょうか。

正直にお伝えすると、この制度には建前と本音があります。

しかし、制度は制度であり、国で決まった規律があります。
よく理解しておかないと、指摘や注意だけでは済まない場合があります。

決して間違いではないですが、説明の段階がなく結論から伝える監理団体がおられるのでこのような誤解が生まれます。

 

技能実習制度のコストについて

また、よく聞くコストについて、

「単に外国人だから最低賃金関係なく働ける」

という意味ではありません。

技能実習生も同じように雇用関係を結びますし、日本人と同じ労働基準法が適用されます。

ですので、一人でも技能実習制度として受入を行えば、一人分の賃金は当然掛かります。

表面上のコストが安いというのは、制度が出来たばかりの頃、制度を守らない企業が実際に存在したからです。
制度上はもちろんそれで良いということは絶対にありません。

もちろんコストが国内人材の採用と比較して、結果的に安くなることもあります。

現状、業種にもよりますが、国内の人材の離職率が非常に高く安定もしない傾向もあり、転職も簡単にできてしまう時代です。

その一方で、技能実習制度を活用して日本に来国する海外人材においては、目的に沿い決められ、年数の中で技術を学ぶ姿勢が強い。そのため結果的に、国内人材と採用コストと比較したときに安くなるということになります。

 

技能実習制度を活用する為の知識


技能実習生を受け入れるときに考えること(労働力の確保)はあくまで結果であり、受け入れまでのプロセスを理解することが、上手に制度を活用するコツともいえます。

では、技能実習制度とは?
受け入れまでの流れを簡単に見ていきましょう。

今回は一般的な団体監理型のケースで、重要なポイントと、受け入れ時に役立つことをお伝えします。

受け入れ人数枠の上限

※団体管理型の人数枠

(出典:JITCO「外国人技能実習制度」とは)

 

受け入れ人数は制度上で規定されているため、全てを海外人材で補うことができません。

 

受入までの流れ

 

2021年現在、世界を取り巻くコロナウイルスや突発的な事情により、大幅なイレギュラーが生じていますが、受入までにおおよそ8ヶ月〜10ヶ月の期間を有することが一般的です。

 

知っておきたい技能実習活用のルール

最後に、技能実習制度活用前に知っておきたいルールを簡単にまとめます。

 

  1. 関係法令遵守・・・日本人と同様の雇用契約が必要です。即ち、労働保険、社会保険の加入が必須です。
  2. 傷害保険加入・・・技能実習生総合保険には必ず加入が必須です。労災適用外や私用事故等も対応。
  3. 適正な労務管理・・出勤簿による労働時間管理、賃金台帳による支払管理が必要。
  4. 日誌作成・保管・・日々の技能実習記録を作成及び書類の保管義務があります。
  5. 宿舎の確保・・・・1人当たり床面積4.95㎡(三畳)以上の確保が必要です。1室2人以下が原則です。
  6. その他・・・・・・技能実習生のパスポートやビザ、預金通帳やキャッシュカードなどを預かり、受入企業が管理することは禁止されています。

 

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回のまとめとして

  • 技能実習生を活用する目的は、技能実習生への技能の転換をし、日本の技術を学んでもらうことで、労働力ではないということ
  • 受け入れの期間は、それぞれ職種や企業の体制など様々な条件があるということ。原則は3年という考え方がいいでしょう。
  • 技能実習生の受け入れを行なった場合は、技能実習生が充実した制度の活用ができるよう努める必要がある。
  • 技能実習生の受け入れには、様々な規定が設けられている。

労働力として認識をしがちですが、技能実習制度の目的を理解した上で、企業にとってプラスになるように利用することをお勧めします。

規定が多く、難しい印象になる企業様もおられますが、安定して活用していくことにより企業様のグローバル化、今後の企業の成長にプラスとなるよう計画を立てた上で制度の活用をお勧めします。