技能実習生制度を調べるとよく登場する「外国人技能実習機構」とはなんでしょうか。
技能実習生を受入れている会社の担当者も監理団体ほど接点がないですよね。
ですが、技能実習生制度には切っても切り離せない存在です。
外国人技能実習機構(OTIT)ってなに?
外国人技能実習機構はOTIT(Organization for Technical Intern Training)と記載されることもある、平成29年(2017年)に設立された認可法人です。
意外にも出来たばかりの新しい組織なのです。
本部は東京都に置かれており、全国に支所が5ヶ所と地方事務所が8ヶ所あります。
外国人が技能や技術を習得するだけではなく、より高いレベルになれるような実習実施を目指しています。
そして技能実習生が健康で安全に日本で働くための支援をしています。
人材育成を通じて発展途上の地域に技術などを伝えて、貢献することを最終的な目的にしています。
OTITはなぜできたの?
外国人技能実習制度は平成5年(1993年)から始まっています。
最初は会社側に介入できるような法律がなく「安い労働力」として悪用される状態が長く続きました。
平成28年(2016年)に技能実習法が制定されるのに伴い、新しい制度を運営する「中核」として設立されたのがOTITです。
OTITは制度全体をコントロールし、適正に運営する会社や監理団体をより活躍できるように支援をしています。
逆に、不正を行うものは排除して技能実習生を保護する役割を持っているのです。
OTITの役割とは?
技能実習をまとめるという大切な役割を担っているOTIT。
具体的にはどのような業務があるのでしょうか。
技能実習計画をチェックする
会社が技能実習生を日本に迎え入れるためには「技能実習計画」を作り、OTITから認められないといけません。
OTITは技能実習計画が適正かどうかをチェックします。
技能実習計画は1人ずつ作成され、1号から2号移行、2号から3号でも作成が必要です。
技能実習計画は業務内容、時間配分、使用機械、指導体制が記載されていて現実的かどうかがポイントになります。
また、会社や役員が認定取り消し、前科がある、労働法などの違反があるかも問題になります。
実習実施者からの届出を受理する
技能実習を行う会社からは事情に応じて、様々な届出をOTITにします。
代表的なものが「実習実施者届出書」です。
これは技能実習を始めるために届出されるものです。
受理されると実習実施者届出書が交付され、技能実習を開始することができます。
実習実施者や監理団体を定期的に検査する
通常、監理団体は企業へ1ヶ月または3ヶ月のペースで監査を行っています。
ですが、OTITは会社と監理団体の両方に検査を行っています。
会社に対しては3年に1度、監理団体に対しては1年に1度と頻度に差はあります。
また、臨時の検査も可能です。
OTITは企業と監理団体に報告をさせて、実地検査をすることもできます。
検査の結果、実習計画に反する実習を行っている会社や、禁止行為を行う監理団体に対して改善命令や認定の取り消しをすることがあります。
監理団体の運営状態を調査する
監理団体は「許可」を受けて活動をしています。
監理団体は非営利団体で、技能実習を希望する会社に技能実習生の紹介や働く上での支援が主な役割です。
OTITは監理団体が基準を満たしているかを調査します。
監理する能力があるか、適正な運営を行うための措置を行っているかが焦点となります。
その他、前科の有無、許可取り消し処分を受けていないか、各種法令を違反していないかも調査します。
技能実習生からの相談・援助をする
OTITは技能実習制度を悪用する会社などの問題を解消するために生まれた組織です。
その経緯から技能実習生を直接支援する仕組みも持っています。
技能実習生からの相談を電話やメールで受け付けて、必要であれば保護することもあります。
母国語でも対応していて、技能実習生にとっては「最後の砦」のような位置づけでもあります。
技能実習生の転籍支援する
技能実習生には転職の自由はありません。
ですが、働いている会社の認定が取り消されてしまったり、倒産してしまったら働き続けることはできません。
働く先を変えなければならない技能実習生をサポートするのがOTITです。
まずは会社と監理団体が転籍先を探すことになります。
技能実習生は実習を終わらせて帰国する選択肢もありますが、多くは継続を希望するからです。
ですが、次の実習先を簡単に見つけるのは難しいのが実情です。
そこで全ての情報を持っているOTITは各所に情報提供を行い、転籍の支援をしています。
技能実習に関する調査と研究など
制度を正しくより良く運用するためには情報を集め、分析をする必要があります。
国が国勢調査などで情報を集めるように、OTITもアンケートなどで実態を調査しています。
そして、制度や運用を改善することで、発展途上の地域に技術などを伝えるという目的を達しようとしているのです。
まとめ
OTITは制度の中心です。
技能実習が適正に行われ、技能実習生が不当な扱いを受けていないかなどをチェックしています。
技能実習生を受け入れている会社にとっては、実務的には接点が少ないかもしれません。
ですが、技能実習生を受入れるために必要な書類などは、OTITから出されているガイドラインを参考に作成されています。
もしそのルールを守らないと認定を取り消されてしまうことにもなるのです。
会社の担当者にとってOTITとの橋渡しになるのは監理団体です。
ふれんど協同組合は介護分野や製造関連を中心とした企業様の支援をしています。
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