受入事業所の担当者に聞いた!技能実習生のトラブル

2022年6月17日   ブログ

技能実習生の受入事業所の管理担当者は大忙しです。
通常の業務にプラスして技能実習生のフォローをすることが多いからです。
忙しい日々で頭を抱えたくなるトラブルも対応しなければなりません。
今回はいろいろな受入事業所の管理担当者から集めた、困ったエピソードをご紹介します。

A社 介護老人施設 

日本に来て元気に活躍する技能実習生D(男性)さん。
1年を過ぎたころから少しずつ元気が無くなっていったそうです。注意散漫でミスも増えてきて、心なしか元気もよくありません…。以前は急な欠勤のフォローのために残業や休日出勤をお願いしても、対応してくれたのに渋るようになりました。 

心配になった管理担当者さんは現場責任者とDさんの面談をすることにしました。
職場の人間関係、給料面、母国の家族に何かが…と思いつつ、
Dさんに話を聞いてみると 

「彼女ができたから、あまり働けない」

同じ国出身で留学生として専門学校に通っているという彼女とは、付き合い始めて数ヶ月。一緒にいたいという気持ちは理解できますよね。
管理担当者としては「大事じゃなくてよかった」と一安心して「シフトは協力して欲しい」と伝えようとしたのですが…

「彼女の学費を払っているからお金が無い。ご飯も食べさせている。母国に送金もできていない」

さらに深く話を聞くと、彼女に利用されているようですが、Dさんは一目惚れ。管理担当者たちはDさんを半年に渡って説得する日々が続きました。
ある日、突然別れたそうですが一言「ご迷惑かけました」と言われたとのことです。

B社 製造業

技能実習生の好みや感覚は一昔前の日本人に近いところがあります。例えば自動車が好きな日本人の若者は少なくなりました。
一部の愛好者以外は自動車に特別な感情を持ってはいません。
一方で自動車が「好き」「憧れている」という技能実習生は少なくありません。

B社では業務都合上、一部の技能実習生に自動車免許を取得させていました。
ある日、自動車免許を持つ
Eさんが総務部に訪れて言いました

「車を買ったけど、会社で何かすることありますか?」

どうやら中古自動車販売をする知人からセダン車を購入したようなのです。
会社側は自動車免許を取得させるときに、自家用車の購入をしないように伝えていましたが、
Eさんは欲望に耐えられなかったようです。 

管理担当者は自動車には毎年税金や保険料が掛かると伝えますが「大丈夫、大丈夫」と気にしてない様子。
そこで免許取得時の約束をしたことや、実際にどれだけお金が必要か話し合い、結果として手放すことになりました。中古自動車を販売した知人も一部手数料以外は返金することで合意してもらい、一件落着。
には、なりませんでした。

Eさんは深夜、高速道路上の速度超過違反で一発免許停止処分になったのです。
「せっかく買ったから、返す前に楽しもうと思った」
違反金や講習代など約
10万円近く発生。会社が一度立替払いして少しずつ返済して貰うことになりました。

管理担当者は「せめて車の鍵を預かっておけばよかったのですが…」と後悔しているようでした。

C社 建設業

C社に建設作業員として配属されたばかりのFさんには会社用の携帯電話が支給されていました。
建設業では天候によって急遽工事が中止となることや、作業中もバラバラで行動することが多いため、携帯電話が必要となるからです。
携帯電話も連絡先が制限されているなど最低限の機能があるタイプなので問題はないように思えました。
 

数カ月後、経理部から管理担当者に

「携帯電話の利用料金が10万円近くなっている」

驚きの連絡が入ったのです。
契約している電話会社に問合せするとインターネット接続料金が発生しているとの返答でした。
実態を確認するために履歴を取り寄せて見ていくと、アダルトサイトへの閲覧履歴がずらり。 

携帯電話の契約にはインターネットを閲覧すると高額のパケット通信料が発生してしまうことがあります。Fさんに確認すると携帯電話からインターネットに接続したことを認めました。
接続時には警告文は表示されるのですが、日本語であり仕組みが理解できていないので利用してしまったようです。
 

問題は利用料金をどうするかです。

みんなFさんに同情的で、日本に来たばかりなのもあり配慮を求める意見が大勢でした。
「インターネットに接続できることに気づかなかった会社の落ち度もあるのでは?」と専務も考えていました。
ところが社長は「本人が私的に使ったものだから、本人に払わせるだけの話だ」と全く折れません。

結局、分割して弁済することになりました。
Fさんにとって大きな金銭負担は信頼関係を破壊し、監理団体を巻き込んだトラブルを常に抱えてしまう関係になってしまったのです。

まとめ

今回は3社の管理担当者からお話を聞きました。 

「誰かの面倒を見る」価値観が強い国、後先をあまり考えない文化、日本独自の分かりにくいルールなど、さまざまな要因がトラブルに繋がってしまうようです。
とくにお金が関係してくると解決は難しくなり、負担も大きく深刻な状態になってしまうこともあります。
 

ふれんど協同組合では技能実習生と受入れ事業所をつなぐサポートにも力を入れています。
文化の違いからくるトラブルは、受入事業所にとって予想すらできないことも多くあるからです。
もし技能実習生制度へのご相談や関心がありましたら、まずはお気軽にお電話またはメールフォームから問合せください!