外国人技能実習生の住居環境とは?用意すべき【5つのこと】

2022年1月21日   ブログ

日本に来た技能実習生は、数年間生活することになります。

もちろん、それには自宅が必要ですよね。

初めて受入れる企業にとっては、どのような住居を用意しておけば、喜ばれるかも分かりません。

ここでは、技能実習生の住宅事情と受入れ対応についてご紹介します。

 

どんな形態が多いのか

技能実習生が生活する住居は会社規模によっても千差万別です。

季節的に働く労働者を雇用していた、また遠方地で通勤が難しい地域という企業では、すでに専用の社宅があることがあります。

 

ですが、多くの企業では社宅設備はありませんよね。

職場の近くにアパートを借りるのが普通でしょう。
アパートの賃貸契約は技能実習生本人ではなく、企業が契約をしています。

何故ならアパートの大家さん、管理会社としても技能実習生との直接契約は家賃未払いのリスクを感じるからです。

 

企業が賃貸契約を結ぶと説明をしても、外国人が住むと聞くと断わる大家さんもいます。

そのため、近隣に物件数が少ないと意外と難航することもありえます。

早めに知人や取引先など人脈を利用して目星を付けておくと良いでしょう。

 

 

広さや間取りは?

技能実習制度運用要領によって住居の基準が定められています。

まずは危険や危害の心配がなく、静かで快適に過ごせるのが前提です。

部屋の広さは1人あたり、4.5㎡以上(およそ3畳以上)となっています。
その他に荷物を収納する空間も必要です。

複数人で生活をしていて、昼勤務と夜勤務に分かれている場合には、寝室を別にするようにしなければなりません。

 

 

家賃はどのくらい?

技能実習生にとって家賃は安ければ安いほどいいと感じるようです。

多くの技能実習生は2人で6~8畳の部屋に住んでおり、日本人にとって「嫌がるのでは?」と思う物件でも、安ければ気にしないという実習生も少なくありません。

家賃の相場は地域によってかなり幅がありますので一概には言えませんが、日本人の金銭感覚で部屋を用意してしまうと、引っ越しをさせて欲しいとトラブルに発展することもあります。

一人あたりの負担額が抑えられ、部屋数が多いシェアハウスのような物件が用意できれば最適でしょう。

また、6~8畳のワンルームに4~5人で生活をしているという例もあります。

実習生本人たちが望んでいるという場合もあるかと思いますが、技能実習制度運用要領や感染症予防の観点からも望ましいとはいえません。

 

技能実習生の受け入れ用意はどこまで必要?

技能実習生がいよいよ配属される日が近づいてきました。

そこで「住居だけあっても人は住めないぞ」と気づく担当者もいるでしょう。

ですが、どこまで設備を用意すればいいのでしょうか。

 

・電気、ガス、水道の手続き

電気の手続きはインターネットで即日手配が可能です。

水道は市町村ごとに窓口が違い、数日かかる場合があります。

ガスは現地での立会いが必要ですので、注意が必要です。

 

・家具や家電

技能実習生が持参しているのはスーツケースに収まる程度の最低限のものだけです。

自分が新しく生活を始めたときのことを思い出しましょう。

寝具、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、炊飯器、調理器具、食器、トイレットペーパーなど、考え出すとたくさんのものが必要なはずです。

社員の不用品やリサイクルショップで「とりあえず」を揃えておきましょう。

 

・数日~1週間程度の食料

技能実習生が無一文というわけではありません。

ですが、日本のお金での支払いなど、不慣れなことが多いですよね。

入居してすぐに業務が始まると、なかなか準備が出来ないこともあります。

ある程度の食べ物、食材を用意してあげると実習生も助かるでしょう。

 

・インターネット設備

スマートフォンを持っている技能実習生がほとんどです。

ですが、回線を用意する必要があります。

母国にいる家族との連絡や、近隣情報を知るために必要です。

工事が必要な光回線ではなくても、月数千円程度の大容量のポケットWi-Fiなどであれば大丈夫でしょう。

 

・自転車

通勤や買物に必須なアイテムです。

自転車保険の加入もするようにしましょう。

加入が義務である自治体も増えていますし、もし第三者をケガさせてしまったときも対応が可能です。

 

費用の精算の仕方

アパートや水道光熱費などは企業が契約をして、その費用を給与から控除する形をとることが多いでしょう。

技能実習生が滞納をしてしまい、高額になってから発覚するトラブルを回避できるのもメリットです。

 

それらの費用については、内訳などを丁寧に説明するようにしましょう。

また、天引きする際は協定書を交わし、可能なら母国語を併記するようにすると、トラブルが起きにくくなります。

 

入居後のトラブルで多いことは?

ゴミの分別や出し方、夜中に騒いでクレームが入るといった事例は多くあります。

また、母国にはなかった設備に戸惑って、火事になりかねないこともありえます。

例えば、電子レンジを初めて使うケースです。

温めてしまうと爆発する、溶ける、発火するものは日本人ならいくつか想像できますよね。

エアコンや温水シャワーも初めてという実習生もいます。

使いすぎると電気代やガス代が高くなるというのを知らずに、高額請求で問題になることもあるのです。

日本で育つと気付けないさまざまな「ギャップ」があることに気付くでしょう。

そのギャップに詳しいのは監理団体です。

あらかじめ、技能実習生に教えておかなければならないことを監理団体に確認するとスムーズですね。

 

まとめ

家賃は安いほうが喜ばれますが、あまりにも劣悪な環境は避けなければなりません。

1つの住居に大人数で生活すれば、1人あたりの家賃等は安くなります。

一方で、生活環境は悪化し感染症や近所トラブルの原因にもなってしまいます。

技能実習生の事情を反映しつつも、トラブルが起きない快適な住居を選ぶようにしていきましょう。