技能実習生が一時帰国するタイミングとは?

2022年11月7日   ブログ

母国を離れて海外で生活する技能実習生は、「母国に帰りたい」と思うことがあるでしょう。
それは自分の意志のこともあれば、意思に関係なく帰国する必要がある場合もあります。
今回は技能実習生が日本を一時的に離れるタイミングや注意点を学んでいきましょう。

法律で定められている帰国


技能実習法によって、一時帰国しなければならないタイミングが1回あります。
それは技能実習2号から技能実習3号に移行するときです。
技能実習3号の開始前に1ヶ月以上の帰国が必要とされています。
法律で定められているものなので、拒否や帰国させないでいると技能実習自体が取り消されてしまったり、本人の日本滞在許可が更新できないなどペナルティか課せられたりする可能性もあります。

技能実習生本人が望んでいるわけではないので、帰国するための費用は監理団体が負担することになります。
帰国費用には飛行機チケット代だけではなく空港までの交通費も含まれます。
帰国日程の調整は技能実習生、受入れ事業所、監理団体で早めの対応をすると良いでしょう。

本人の都合(冠婚葬祭など)

母国にいる家族の冠婚葬祭や病気・怪我にあったために帰国するものです。
技能実習生は慶弔休暇、有給休暇、通常の休みを組み合わせて帰国することが多いでしょう。
受入れ事業所にとって急なケースでは対応しにくいこともあります。
しかし、日本よりも家族を大切にする国の方が多く、しっかりと話を聞いて協力をしないと関係が悪化しかねません。

本人から事情を聞いたら監理団体に連絡しましょう。
月に実習が80時間以上の行われなかった場合は、実習計画の軽微変更届の提出が必要になります。
また、帰国する際の出国手続きにも注意しなければなりません。
外国人が母国に一時帰国する場合は再入国許可をあらかじめ得ておかないと、日本に戻ってくる時の手続きが煩雑になってしまうからです。

みなし再入国許可という制度もあります。
これは有効なパスポートと在留カードを持っている外国人が日本を出国して1年以内に帰国し、活動を再開する場合には再入国許可の必要ないというものです。
ですが出国の際に空港で出国カードに記入する必要があります。
受入れ事業所のみで対応するとミスが生じることもあるので、監理団体の指示やアドバイスを受けた方がよいでしょう。

母国と日本の往復費用については技能実習生本人が負担でも問題ありません。
技能実習2号から技能実習3号は法律で定められているものでしたが、本人都合までは負担する必要はないからです。
受入れ事業所が任意に旅費を支給することもできますが、所得としてみなされ課税対象となる場合もあります。

休暇を利用しての帰国

技能実習生が一番帰国する機会が多いのは長期休暇を利用しての帰国です。
とくに自動車製造の業界では正月休み、ゴールデンウィーク、お盆休みでは7日~10日あることも多く十分に母国に帰国することができるでしょう。
繁閑の差が激しい業種では有給休暇と組合せて2週間以上の休暇を作ることもあります。

技能実習生の母国の文化や本人の性格にもよりますが長期休暇は重要視されています。
受入れ事業所としては長期休暇の数ヶ月前から技能実習生に説明をしてきましょう。
なぜなら技能実習生は早い段階で航空チケットの予約をしてしまうからです。

しかし、受入れ事業所によっては社内カレンダーで休みであっても業務をする場合があります。
顧客からの時期指定や社内が稼働していないときにしかできない業務もあるからです。
だからといって、1ヶ月前であっても技能実習生に出勤を命令すると大きなトラブルになりかねません。
「時期を変更してくれ」と技能実習生に言っても早期予約で料金を抑えているので快く思われません。
母国の家族との予定も組んでいるでしょう。

特定技能に移行したときの帰国費用は要注意!

技能実習生が法律に定められている帰国をするときは技能実習生に自己負担がありません。
しかし、新型コロナウイルスの影響により解雇などされた場合の特例として、特定技能に在留資格が変更されている場合は対象外になってしまいます。
また、本人が帰国費用を用意できない場合は受入れている機関が負担することになります。
新型コロナウイルスの特例処置は段階的に縮小されて帰国する外国人が増えています。
トラブル防止のためにもあらかじめ説明するのがよいでしょう。

まとめ

技能実習生の一時帰国には法律で定められている帰国、冠婚葬祭などによる帰国、休暇を利用しての帰国があります。
法律で定められている帰国では技能実習生に費用負担させることはできせん。
どのパターンでも技能実習制度の手続きや「意外な」落とし穴もあります。
技能実習生から一時帰国の話があったら監理団体に相談するようにしましょう。

ふれんど協同組合では一時帰国についてのアドバイスや技能実習生への指導などのサポートも行っています。
もし技能実習生・特定技能制度へのご相談や関心がありましたら、まずはお気軽にお電話またはメールフォームから問合せください!