技能実習生の【途中帰国】続出…その理由と対策を解説!

2021年12月21日   ブログ

日本に来た技能実習生はさまざまな理由で母国に帰国することがあります。

受け入れ企業にとっては嬉しかったり、悲しかったりするでしょう。

今回は技能実習生の「途中帰国」についてご紹介します。

 

一時帰国と途中帰国の違い

一時帰国は技能実習法で定められたものと、本人の申し出によるものがあります。

 

技能実習法で定められた一時帰国は、在留資格を技能実習2号や3号に移行するための条件として1ヶ月以上の帰国が必要となるものです。

本人の申し出によるものでは、母国での身内の不幸などイレギュラー的に帰国するケースが主です。
その期間は技能実習生が有給休暇や慶弔休暇を取得することが多いでしょう。

このように、一時帰国は日本に戻ってくることを前提にしたものです。

 

一方で、途中帰国は途中で技能実習そのものが終了し帰国するもので、再び業務に復帰することはありません。

 

途中帰国をする理由とは?

業務のミスマッチ

技能実習生が日本に来る理由は技術を身に着けたい、母国の家族を豊かにしたいなどさまざまです。

ですが、不安やリスクを背負ってでも遠く離れた日本に働きにくるチャレンジャーであることは共通をしています。

 

日本に来たとき技能実習生は情熱に溢れています。
家族や地域が渡航費用等を出し合って送り出しているケースが多いことからも分かるように、技能実習生は母国では非常に優れた人材で周囲からも期待されて来日をしています。

 

受け入れ企業側としても意識の高さを感じることでしょう。

「そこまでして日本に来ているのだから、どんなにつらいことでも技能実習生は耐えるはずだ」

と自然に思い込んでしまうのです。

 

ですが、技能実習生も1人の人間に過ぎません。

 

母国で説明を受けた以上の重量物の運搬、単純作業、長時間労働、休日出勤が続けば気力が衰えてしまいます。

受け入れ企業は「やる気があるから日本に来たのだろう」と良かれと思って残業や休日出勤を命じて追い込んでしまう不幸な事例も多々あります。

徐々に、やる気や体調に影響がでて途中帰国へと発展をしてしまうのです。

 

思ったよりも稼げない

母国レートに換算すると、短期間で多額のお金を得ることができることをメリットとして来日する技能実習生は多いでしょう。

ですが、時給が低く、家賃など生活費を引くと思ったより手元に残らないケースは多くあります。

受け入れ企業側としては十分に残っているはずと思うのですが、そこにも認識へのギャップがあります。

来日するための借金の返済や、母国への仕送りで自分の家族だけではなく何世帯もの生活を支えている技能実習生もいます。

 

また、母国の経済成長スピードが驚くほど速く、借金利息と物価の上昇が日本での稼ぎを目減りさせている状況もあります。

結局、日本で働いても赤字が増えるだけということが起こり、途中帰国となるのです。

 

本人の病気やケガ、身内の不幸

病気やケガで働くことができなくなってしまうことは、技能実習生で無くてもありうることです。

日本には公的医療保険や傷病手当金など療養を支援する制度もありますが、母国での方が適している場合には途中帰国となります。

また、身内の不幸で、一時帰国では解決できない重大な事態の場合に途中帰国となります。

 

在留資格の更新ができなかった

在留資格を1号から2号、2号から3号に変更ができない場合には、途中帰国となってしまいます。

資格の更新には学科と実技があり、両方の試験を合格しなければなりません。

1号から2号はそこまで難しいものではありませんが、準備をしなければ不合格に当然なってしまいます。

 

2号から3号への変更はぐっと難易度が高くなっています。

学科では長年勤めた日本人でも答えが分からないような出題がされるため、計画的な勉強が必須となるでしょう。

日本で働き続けるためには2号から3号への更新以外にも方法はありますが、他の方法も一筋縄ではいきません。

 

途中帰国で起きる問題点とは?

技能実習生は多額の借金を抱えて来日をしている場合が多くあります。

途中帰国すると、借金が返済できずに残ってしまいます。技能実習生にとっても、今後の人生設計に良くない影響を及ぼすことは避けられません。

 

受け入れ企業としても、今まで支払った初期費用、月々の費用という金銭的な損失だけではなく、技能実習生の管理や教育にかかった負担が無駄となってしまいます。

受け入れ企業に他の技能実習生がいれば、風当たりも強くなるでしょう。

 

そういった不幸を避けるためにも、技能実習生の来日した事情を深く掘り下げて聞き取り、トラブルに発展しないよう未然に対処する必要があります。

もし、途中帰国の希望があれば話合いをして日本に残る可能性を探すようにしなければなりません。

 

まとめ

途中帰国の理由には、職場のミスマッチ、身内等の不幸、資格の更新ができないと言ったものがあります。

この中には、受け入れ企業や監理団体の努力により、未然に防ぐことができるものも多くあります。

 

一度、途中帰国をすると技能実習生として再び働くことは困難です。技能実習生が長く働けるように、働きやすい環境を作るところから初めてみましょう。

 

ふれんど協同組合では、未然に離職(途中帰国)を防げるよう、サポートセンターを設けております。

お悩みの企業様はお気軽にお問合せください。