特定技能と技能実習!かかる費用はどちらが安い?

2022年7月29日   ブログ

技能実習制度とセットのように説明されことも多い特定技能制度。
技能実習制度との違いやどちらにメリットがあるのか分かりにくいですよね。
今回は特定技能制度の特徴やコスト面についてご紹介します。

特定技能制度とは?

技能実習制度と高度人材(通訳、エンジニア、医師など)との中間に位置する制度です。
制度内容も両方を混ぜたようになっており支援制度がある一方で、行動の制限が少ない特徴があります。

特定技能制度は「人手不足の解消」を目的にしているのもポイントです。
技能実習制度が実習を通して社会貢献を目的にしていた点とは大きく違います。
人手不足の解消が目的なので技能や日本語をある程度習得している「即戦力」の外国人が対象となっています。

対象となる職種も特に人手不足とされている14業種に限られています。
技能実習制度とほとんど共通ですが外食・繊維・衣類など違う業種もあります。

特定技能と技能実習で比較されやすい点

監理団体などのチェックがなくなり転職も可能と、多くの面で日本の一般労働者と同じ待遇となっています。
入国時の試験項目は技能実習2号を一定以上の要件で修了することで免除となるため、技能実習生からステップアップして特定技能1号になるケースが多く見られます。

また、特定技能制度でも1号と2号に分かれています。
日本に居られる期限に上限があるか、家族を日本に呼び寄せることができるかに大きな違いがあるのです。
特定技能2号は「熟達した技能を持っている」ことが条件となるので、ほとんど高度人材と扱いが変わらなくなり支援制度の対象からも外れることになります。

費用の比較

賃金

特定技能外国人の賃金は技能実習生と高度人材の中間くらいの人件費と言えるでしょう。
少なくとも日本人の初任給~3年目程度の賃金以上でないとビザ申請が却下されてしまう可能性が高いと考えられます。

技能実習生2号から特定技能1号に移行した場合は、日本で3年以上の実務経験があることになるので、しっかりと技能は身に付けていると考えられるからです。
一方、技能実習生は最低賃金以上とされています。

そのため月給ベースでの差は、3万円以上になることもあるのです。

採用経費

特定技能外国人の採用は、基本的な枠組みは日本人の採用と変わりません。
自社サイトなどで募集して特定技能外国人を受け入れることもできます。
この場合は広告宣伝費として1ヶ月あたり数万円から数十万円がかかります。

まったく面識のない外国人を特定技能制度で採用する場合には、人材紹介会社を利用するケースが多いでしょう。
この場合には紹介手数料が発生してしまいます。
紹介手数料は「想定年収×割合」で計算されることが多く、概ね1人あたり50万円~100万円前後と見込まれています。

一方、技能実習制度では送り出し機関や監理団体を通すので人材を探す費用を抑えることができます。

しかし、事前の説明や教育に費用がかかります。
受入れ企業が面接のため現地訪問する費用や、技能実習生への初期費用として40万円程度が必要になるでしょう。

管理費用

特定技能1号では法律で定められた「支援」を行う必要があります。

  • 事前ガイダンスの提供
  • 出入国する際の送迎
  • 住居や生活に必要な契約の支援
  • 生活オリエンテーションの実施
  • 日本語学習の機会の提供
  • 相談・苦情への対応
  • 日本人との交流促進
  • 外国人の責めに帰すべき事由によらない退職時の転職支援
  • 定期的な面談・行政機関への通報

中小企業がこれらを行うのは負担が大きいので、多くの場合は登録支援機関に委託費を支払って対応してもらうのが一般的となっています。
費用は平均すると月額2~3万円程度なので、技能実習制度で監理団体に支払う費用よりは低い傾向にあります。

研修費用

特定技能制度では基本的には法定の研修費用はかかりません。

一方、技能実習制度では1号から2号、2号から3号への移行に費用がかかります。
検定の申込み費用だけではなく、事前の対策を行えば追加コストが発生します。

特定技能も技能実習も大きい差はない

特定技能は受け入れ費用が高くつくというイメージを持つ人も多いですが、企業が負担する金額としてはトータルでは大きな差はありません。
賃金は特定技能のほうが高くても、採用コストや月々支払う委託料を比較すると、技能実習制度より低いこともあります。

実務としては、今いる技能実習生の技能実習がすべて修了となった場合や、2号から3号への移行ができなかった場合には、特定技能制度が選択肢に入ってきます。

経営者の中には「外国人に高い費用はかけられない!」と判断する人もいます。
ですが、3年以上に渡って教育を受けている人材を手放すことこそ「割高」と言えるかもしれません。

まとめ

特定技能制度は人手不足を補うために作られた点で、技能実習制度と大きく異なります。
すでに相当程度の技能や経験を持っている特定技能外国人の賃金は、一般的な日本人と差がないか、それ以上です。
ですが、トータル費用で見れば技能実習生と変わらないこともあるのです。

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