外国人労働者、過去最多257万人|日本の労働市場で進む静かな変化

2026年9月8日   ブログ

外国人労働者は、すでに一部の大企業や特定業界だけの話ではなくなりつつあります。
厚生労働省が公表した令和7年10月末時点のデータでは、外国人労働者数は過去最多を更新しました。外国人労働者・過去最多という動きは、中小企業が今後の採用や人材育成を考えるうえでも、知っておきたい労働市場の変化ではないでしょうか。

外国人労働者数は257万人|過去最多を更新

結論から見ると、日本で働く外国人労働者は増加を続け、過去最多となっています。
それだけでなく、外国人を雇用する事業所数も過去最多となっており、「働く人」と「雇用する企業」の双方で広がりが確認できます。

外国人労働者は257万1,037人

厚生労働省が公表した「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、令和7年10月末時点の外国人労働者数は257万1,037人でした。

外国人雇用状況の届出が義務化された2007年以降で、過去最多です。前年同時点からは26万8,450人増加し、増加率は11.7%となっています。

この数字から分かるのは、「外国人材が増えている」という漠然とした印象だけではありません。

1年間で20万人を超える規模の増加があり、日本企業の雇用の中で外国人材の存在感が継続して高まっているということです。

三重県の中小企業経営者の方の中には、「外国人材の採用は、都市部の企業や大企業が中心ではないか」と感じている方もいらっしゃるでしょう。

しかし、全国の労働市場を見ると、外国人雇用そのものが、以前より身近な採用方法になってきていることは確かです。

もちろん、数字が増えているからといって、自社でも外国人材を採用した方がよいという結論にはなりません。

大切なのは、まず現在の労働市場で何が起きているのかを正しく知ったうえで、自社の将来の選択肢を考えることではないでしょうか。

外国人を雇用する事業所も37万1,215所

変化は労働者数だけではありません。

同じ厚生労働省の公表資料によると、令和7年10月末時点で外国人を雇用している事業所数は37万1,215所でした。

前年から2万9,128所増加し、こちらも届出義務化以降で過去最多となっています。

この数字は、中小企業経営者にとって特に注目したい部分ではないでしょうか。

外国人労働者だけが一部の企業へ集中して増えているのではなく、外国人を雇用する事業所そのものも増えているからです。

「外国人材の採用は特殊な採用方法」という捉え方から、「人材確保の方法の一つとして利用する企業が増えている」という状況へ、少しずつ変化していると見ることができます。

国籍別に見る変化|ベトナム・中国・フィリピンが上位

外国人労働者257万1,037人は、さまざまな国や地域から日本で働く人の合計です。国籍別の人数を見ると現在の外国人雇用の構成を理解できますが、国籍によって能力や仕事への適性を判断するものではありません。

最も多いのはベトナム

厚生労働省が公表した令和7年10月末時点のデータでは、外国人労働者の国籍別人数は次のようになっています。

ベトナムが60万5,906人で全体の23.6%と最も多く、次いで中国が43万1,949人で16.8%、フィリピンが26万869人で10.1%となっています

ここで企業側が注意したいのは、「どの国の人材が優れているか」という見方をしないことです。

同じ国籍であっても、日本語能力、経験、技能、希望する仕事内容、将来の目標は一人ひとり異なります。

外国人材の受け入れを検討する場合、「どこの国から採用するか」だけを先に決めるよりも、自社ではどのような業務を担当してもらいたいのか、そのためにはどのような教育が必要なのかを整理する方が重要ではないでしょうか。

「国籍」より「人」と「受け入れ体制」を見る

人材業界に関わっていると、採用について「○○国の人はどうですか」と質問されることがあります。

しかし、人材採用で本当に見るべきなのは国籍だけではありません。

本人がどのような経験を持っているのか、日本でどのような働き方を希望しているのか。企業側もどのような教育を行えるのか。

こうした条件を一つずつ確認していく必要があります。

外国人材が増えている時代だからこそ、国籍という大きなくくりで人を見るのではなく、一人ひとりの人材と企業側の受け入れ環境を見る視点が、これまで以上に重要になるのではないでしょうか。

「26人に1人」という試算が示すもの

外国人労働者257万人という数字だけでは、日本の労働市場全体の中でどの程度の規模なのかイメージしにくいかもしれません。そこで参考になるのが、厚生労働省の外国人労働者数と日本全体の就業者数を組み合わせた民間の試算です。

約3.7〜4%程度という試算

民間調査・人材関連企業などでは、日本の就業者全体に占める外国人労働者の割合を約3.7〜4%程度とする試算があります。

たとえば、厚生労働省が公表した外国人労働者257万1,037人と、日本全体の就業者数を組み合わせて計算すると、外国人労働者の割合を約3.8%とする試算があります。

これを人数の感覚に置き換えると、「働いている人のおよそ26人に1人が外国人」という表現になります。

ただし、ここは確定情報と明確に区別する必要があります。

「26人に1人」という表現は、厚生労働省が公式統計として直接公表している数字ではありません

厚生労働省が公表した外国人労働者数と、総務省統計局などが公表する就業者数を組み合わせて計算した民間の推計・試算を、分かりやすく言い換えたものです。外国人の雇用状況については厚生労働省の届出統計が毎年公表されていることを、総務省統計局も案内しています。

したがって、「日本の就業者の26人に1人が外国人であることが公式に確定した」という意味ではありません。

大切なのは「26人」という数字そのものではない

この試算から考えたいのは、26人という数字の正確な語感よりも、外国人材が日本の労働市場の中で無視できない規模になりつつあるという点です。

外国人労働者が増えれば、外国人材を直接雇用していない企業でも、取引先や協力会社、地域社会などを通じて外国人材と関わる機会が増える可能性があります。

民間の試算では、日本全体の就業者増加数に占める外国人労働者の増加が半数を超えるという指摘もあります。

これも厚生労働省が直接発表している確定値ではありませんので、方向性を見るための参考情報として扱う必要があります。

ただ、「外国人材はごく一部の会社だけに関係する話」と考える時代から、日本の人材市場全体の変化として知っておく時代へ移っているのではないでしょうか。

この数字をふれんど協同組合はどう見ているか

ここまでは厚生労働省の確定データと、民間による推計・試算を分けて見てきました。ここからは、人材業界に16年間関わってきた経験を持つ視点から、こうした数字が中小企業の採用にとって何を意味するのかを考えてみます。

採用の「前提」が少しずつ変わっている

人材業界に長く関わってきた立場から見ると、大きな変化の一つは、「日本人だけを対象に求人を出して人材を確保する」という方法だけでは、採用計画を描きにくい企業が増えていることではないでしょうか。

もちろん、日本人採用の重要性が下がったという意味ではありません。

新卒採用、中途採用、若手の育成、シニア人材の活用などは、これからも重要な人材戦略です。

一方で、厚生労働省の公表資料で、外国人労働者が257万1,037人、外国人を雇用する事業所が37万1,215所まで増えているという事実は、企業が検討できる採用の選択肢そのものが広がっていることを示しているのではないでしょうか。

「外国人材を採用する企業」と「採用しない企業」という単純な二つのグループに分けるのではなく、必要になったときに検討できるよう、仕組みを知っておくことが重要になっているように感じます。

外国人材も採用して終わりではない

一方で、外国人労働者が増えているという数字だけを見て、「それなら外国人材を採用すれば人手不足を解決できる」と考えるのも適切ではありません。

採用できたとしても、日本語、技能、仕事の教え方、職場でのコミュニケーション、生活面など、受け入れた後に考えることがあります。

つまり、外国人材についても「採用」と「育成」と「定着」を一つの流れとして考えることが必要ではないでしょうか。

ふれんど協同組合では、教育面について一般社団法人KJKと連携しています。

ふれんど協同組合は組合員企業により運営される協同組合であり、現在は農業・製造業・介護・建設・自動車整備の5業種が組合員企業として加盟しています。

なお、実際の外国人技能実習生の受け入れ・教育・定着支援について実績があるのは、現時点では介護分野です。

農業・製造業・建設・自動車整備について、すでに受け入れ実績があるということではありません。

だからこそ、新しい業種については過去の方法をそのまま当てはめるのではなく、その企業の仕事内容や職場環境を確認しながら受け入れ方法を考える必要があると考えています。

「特別な選択」から「知っておくべき選択肢」へ

外国人労働者が過去最多になったからといって、すべての中小企業が外国人材を受け入れる必要があるわけではありません。ただ、今すぐ採用する予定がなくても、「どのような仕組みなのか」を知っておく意味は以前より大きくなっているのではないでしょうか。

人材確保の答えは一つではない

中小企業の人材確保には、いくつもの方法があります。

日本人の新卒・中途採用を強化する。若手社員を育成する。シニア人材が働き続けられる環境を作る。業務効率化や設備投資によって必要な業務量を見直す。

その中の一つとして、外国人材の受け入れがあります。

どれか一つだけを選ぶ必要はありません。

自社の仕事内容、将来の事業計画、現在の年齢構成、教育できる体制などを見ながら、複数の方法を組み合わせて考えることが必要ではないでしょうか。

外国人材についても、「人が足りなくなったときの最後の手段」ではなく、今後の採用方法を考える際に知っておく選択肢の一つとして捉えることができます。

受け入れるかどうかを決める前に知る

外国人材の受け入れについて相談すると、「相談したら受け入れなければならないのではないか」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、本来は受け入れを決める前に情報を集めることが大切です。

自社の業種でどのような制度が関係するのか。どのくらいの準備期間を考える必要があるのか。採用前にどのような教育を行うのか。配属後に会社側でどのような対応が必要になるのか。

こうした内容を確認したうえで、自社に合うかどうかを判断すればよいのではないでしょうか。

外国人労働者257万人という数字は、「外国人材を採用しましょう」というメッセージではありません。

日本の労働市場がすでに変わってきていることを示すデータです。

その変化を知り、日本人採用も外国人材も含めて、自社にはどのような選択肢があるのかを考えておく。

それが、これからの中小企業の人材戦略を考える第一歩になるのではないでしょうか。

外国人労働者に関するよくある質問

Q. 外国人労働者は現在どれくらいいますか?

A. 厚生労働省が公表した「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、令和7年10月末時点で257万1,037人です。外国人雇用状況の届出が義務化された2007年以降で過去最多となっています。

Q. 外国人労働者はどの国籍が多いですか?

A. 厚生労働省のデータでは、ベトナムが60万5,906人(23.6%)で最も多く、中国が43万1,949人(16.8%)、フィリピンが26万869人(10.1%)と続いています。国籍は人材の能力や適性を示すものではないため、一人ひとりを見ることが重要です。

Q. 「26人に1人が外国人」というのは本当ですか?

A. 厚生労働省が公式に「26人に1人」と発表しているわけではありません。外国人労働者257万1,037人と日本全体の就業者数を組み合わせ、外国人労働者が就業者全体の約3.7〜4%程度になるという民間の推計・試算を、「およそ26人に1人」と分かりやすく言い換えたものです。

Q. 外国人労働者の増加は今後も続きますか?

A. 今後の人数がどのように推移するのかは確認できません。現時点で確認できる事実としては、厚生労働省が公表した令和7年10月末時点で、外国人労働者数と外国人を雇用する事業所数の双方が過去最多となっています。

Q. 外国人材の受け入れについて相談できますか?

A. はい。ふれんど協同組合では、外国人材の受け入れを検討している企業様からのご相談を受け付けています。「まだ受け入れるか決めていない」「まず仕組みだけ知りたい」という段階からでもご相談いただけます。

外国人材の受け入れについてお考えの企業様へ

厚生労働省が公表した令和7年10月末時点のデータでは、外国人労働者は257万1,037人、外国人を雇用する事業所は37万1,215所となり、ともに過去最多です。

この数字から考えたいのは、「外国人材を採用するべきか」という一つの結論ではありません。

日本人採用、若手の育成、シニア人材、業務効率化などと同じように、外国人材についても「自社が必要になったときに検討できる選択肢」として知っておくことが大切ではないでしょうか。

ふれんど協同組合は、組合員企業により運営される協同組合です。

「自社でも外国人材を受け入れられるのか」
「まず何から確認すればよいのか」
「採用する前にどのような準備が必要なのか」

まだ具体的な受け入れ計画が決まっていない段階でも、お気軽にご相談ください。

ふれんど協同組合
電話:0595-41-0666(平日9:00〜16:00)
公式サイト:https://friend-coop.com/

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