技能実習生の年末調整の手続き方法とは?

2021年11月29日   ブログ

毎年、11月の終わり頃から12月の初めは、各企業の経理部門にとっては、年末調整の手続きが始まる時期です。

外国人技能実習生を雇っている場合は、当然、彼らの年末調整も必要です。

しかし、今年初めて技能実習生を受け入れた企業は、手続きの仕方が分からないかもしれません。
去年行った企業でも、忘れてしまっていることもあるでしょう。

そこで今回は、技能実習生の年末調整について、基本的な知識から、手続きに必要な書類、さらには扶養控除の条件帰国した際の手続きなど、網羅的に説明します。

ぜひ最後までお読みください。

 

年末調整対象者・免除条件

技能実習生の中にも、年末調整の対象になる人と、そうでない人がいます。

まずはその区分について説明します。

 

対象となる人

技能実習生を含め、日本で働く外国人は「居住者」と「非居住者」に分けられます。

そのうち、年末調整の対象になるのは「居住者」です。

「居住者」の定義は以下の①・②となります。

 

  • ①日本に住所を持つ人
  • ②1年以上日本に住み続けている人

 

②に依れば、技能実習生は日本に来て2年目から「居住者」扱いとなり、年末調整の対象になります。

しかし、ここで①の条件を考える必要があります。

以下の条件を満たす場合、①における「住所」が「日本」にあると推定されます。

 

その者が国内において、継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有すること

 

つまり、来日1年目であっても、職業によっては「居住者」とされる場合があるということです。

判断に迷う場合は、国税庁へ確認するのが確実です。

 

免除条件

「非居住者」以外でも、以下の条件に当てはまる人は、年末調整の対象外となります。

 

  • ①1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人
  • ②災害減免法の規定により、その年の給与に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収について徴収猶予や還付を受けた人

 

年末調整の流れ

年末調整の流れは、次の通りです。

流れ自体は、技能実習生も日本人と変わりません

 

  1.  給与所得者の扶養控除等申告書を提出する
  2. 給与所得の源泉徴収税額表によって源泉徴収を行う
  3. 納付すべき所得税の精算を行う

 

扶養控除について

技能実習生の中には、母国に住む家族を扶養している人もいます。

その場合、日本人と同様、年末調整で扶養控除を受けられます

控除の為の要件と、必要な書類について説明します。

 

扶養控除の要件

控除の要件は以下の3つです。

  1. 技能実習生の親族(6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族)
  2. 技能実習生と生計を一にしていること(居住が別でも技能実習生が生活費相当額を送金していれば可)
  3. 年間の所得金額が38万円以下(令和2年分以降は48万円以下)であること

 

必要な提出書類

控除の申告には「親族関係」と「送金関係」の書類が必要です。

それぞれの書類について説明します。

 

親族関係書類

親族関係書類は、次の①・②のいずれかになります。

どちらの書類であっても、国外居住の親族が、技能実習生の親族だと証明する内容を含んでいる必要があります。

また、パスポート以外は「写し」ではなく「原本」が必要です。

 

①以下のA・Bの両方

A:戸籍の附票の写し、もしくは国または地方公共団体が発行した書類

B:国外の扶養親族のパスポートの写し

 

➁外国政府、または外国の地方公共団体が発行した書類で、国外居住の親族の氏名・生日月日・住所の記載があるもの

例)戸籍謄本・出生証明書・婚姻証明書

※必要な記載内容が1つの書類に全て載っていない場合、足りない内容を満たす、他の書類が必要です。

 

送金関係書類

送金関係書類とは、技能実習生が国外居住の親族へ送金したことを証明する書類です。

その年に行った全ての送金が対象で、複数の親族に送金した場合、送金した親族ごとに書類が必要です。

なお、書類は「写し」でもよく、次の①・②のいずれかになります。

 

  1. 金融機関の書類またはその写し(その金融機関が行う為替取引で、技能実習生が国外居住の親族へ支払いをしたことを明らかにするもの)
  2. クレジットカード発行会社の書類またはその写し(国外居住の親族がクレジットカードで商品等を購入し、その代金を技能実習生が支払うことを明らかにするもの)

 

控除申告書ごとの必要書類

提出書類が用意できたら、申告書に添付して提出します。

それぞれの申告書で必要な書類は次の通りです。

 

給与所得者の扶養控除等申告書

  • 本申告書提出時…親族関係書類
  • 年末調整時…送金関係書類

 

従たる給与についての扶養控除等申告書

  • 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
  • 本申告書提出時…親族関係書類

 

給与所得者の配偶者控除等申告書

  • 本申告書提出時…親族関係書類・送金関係書類

 

帰国時の年末調整について

技能実習生が帰国する場合は、出国日までに支払いが確定した給与が、年末調整の対象です。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は技能実習生の年末調整について、対象者の定義、扶養控除の条件、その為に必要な書類などを説明しました。

手続きに不備があると、企業側が源泉徴収漏れを指摘されることもあります。

ぜひ今回の記事を参考に、年末調整を乗り切ってください。

 

お困りの際は、当組合までご相談くださいね!