【介護分野】技能実習生と留学生の違いとは?

2022年8月19日   ブログ

外国人材を受け入れよう!という場面で、労務管理者の頭を悩ませるのが在留区分です。
何かを学ぶという面では技能実習生と留学生は似ています。
街中のコンビニでアルバイトとして働いている姿や旅館に泊まったときのスタッフなど、留学生や技能実習生の姿を見ることができます。

実はまったく違う、「技能実習生」と「留学生」について学んでいきましょう!

技能実習生とは?

「技能実習生制度」は、日本の技術や知識を発展途上地域に伝えて、発展を手助けしようというものです。
そのため、技能実習制度の元となる法律が1993年にできた時から「労働力の供給の調整の手段としては行われてはならない」とされています。

実習期間は長5年です。
まずは技能実習1号から始まり、技能テストなどをクリアすると技能実習2号、3号とステップアップしていきます。
あくまで教育制度の1つですが、雇用上は正社員としての扱いと変わらず、フルタイムで働くことになります。

一般的には未経験でも問題ない技能実習生制度ですが、介護分野では技能実習前に一定の日本語力を持ち、実務経験や実習を経ていなければなりません。

留学生とは?

留学生は大学や専門学校などに通学する学生です。
勉学のために日本に来ているので、長期休暇中を除いて、週28時間までしか働くことはできません
施設としては労働力として大きく期待することはできないでしょう。

しかし、とても若い人材が多いのでモチベーションが高い点は魅力的です。
業界と関係のある分野を勉強している留学生なら最新の知識を学んでいることもあります。
施設の新陳代謝にもつながります。

奨学金制度で卒業後の留学生を採用する

施設にとって人材確保は経営課題のトップでしょう。
介護専門学校を卒業する学生を確実に確保するために奨学金制度を設立している介護分野もあります。

外語専門学校に通う留学生に対して入学金や学費を支援して、卒業後は施設で働いた年月に応じて免除する制度です。
留学生にとっては卒業後の働き口が確保できる上に、数年間働けばお金を返す必要がありません。
施設にとっても介護福祉士の資格を持った新卒を効率よく採用できます。

留学生の間も、奨学金を出している施設でアルバイトすることが多いのも特徴です。
留学生は生きた日本語や技術を学びながら生活費を補うことができ、施設も労働力としてだけではなく長い目での教育をすることができます。

留学生と技能実習生のどっちがいい?

技能実習生のメリット・デメリット

技能実習生は実習が始まるまで比較的早く、確実性が高いことが特徴です。
日本人や他の外国人では求人広告を出しても全く反応がないということは珍しくありません。
長い時間をかけて内定を出しても、辞退されてしまうこともあります。

技能実習生は募集や選考、入国許可手続、教育など半年以上の時間がかかりますが、確実性は高いのでトータルで考えるとメリットになるでしょう。

技能実習生は入国前に決まった施設で実習する前提に応募しています。
技能実習は原則として同じ施設で行うことになるので、最長で5年間は在籍することになります。
母国の看護師資格を持っていたり、実務経験や一定の実習を受けていたりするので一般的な技能実習生よりも高いレベルと言えます。

目的意識が高く勉強熱心な人材が多く、技能実習生につられて施設全体のやる気が向上したという事例もたくさんあります。

一方で、日本語力や介護技能は即戦力とまでは言えないので、しっかりと長いスパンで教育する必要があります。
数年間の内に介護福祉士資格を取得できればより頼もしい仲間として活躍してくれるでしょう。

留学生のメリット・デメリット

実際にやってもらう仕事は、介護を専門とする留学生でなければ雑務的なものになることが多いでしょう。

ですが、学生とは言え柔軟な発想や最新の情報を持っている留学生から学べることは少なくありません。
経営学、マーケティング、ITインフラ、情報通信など留学生の専攻は実に多岐にわたります。

留学生のデメリットは就労時間が週28時間に制限がされている点です。
学生特有の自由さもあるのでシフトを守ってくれないこともあるでしょう。
逆にもっと働きたいという留学生がいても、本人が強制送還などになるだけではなく、施設側にもペナルティが課せられる可能性もあります。

ですが奨学金制度を整備して介護分野の留学生に貸付して支援すれば、人材確保の助けになります。
学生の時期から、時間をかけてじっくりと人材を育てることができます。

しかし、即効性はありません。
留学生が卒業して資格を取得できるかは未知数です。
急に留学生が行方不明となった場合には数十万円、数百万円の貸付を回収できるかはとても怪しいでしょう。

卒業後の留学生のメリット・デメリット

介護分野の専門学校を卒業した留学生は原則として介護福祉士資格を保有しています。
介護ビザを取得できれば最長5年で更新を続けることができます。
訪問介護もできるので戦力として期待できるでしょう。

さらに日本人の新卒を採用するのと変わらないので、思ったように人材が確保できない、と頭を悩ませてしまうことも。
賃金面や待遇面でも、日本人と変わらない点には注意が必要です。

まとめ

技能実習生と留学生は仕事を通じて学ぶのか、学業を通じて学ぶのかの違いがあります。
日本に来たばかりの技能実習生は日本語力や技能は不足していても、モチベーションは高いことが多いので成長も速いと言われています。
自分のキャリアをしっかりと描いて頑張る姿は職場の雰囲気も良くすることがあります。

留学生をアルバイトとして雇う方法では、若い柔軟な発想や新しい風を吹き込んでくれることもあります。
介護分野のキャリアを描いている留学生には長期的な視点を持って接することもできるでしょう。

ふれんど協同組合では日本で介護を学んで成長したいという技能実習生と施設とを結びつけるお手伝いをしています。
もし技能実習生制度へのご相談や関心がありましたら、まずはお気軽にお電話またはメールフォームから問合せください!