中国人の技能実習生の特徴とは?

2023年2月28日   ブログ

日本で働く外国人で思い浮かべる国は?と聞くと、中国や東南アジアをイメージされる人が多いのではないでしょうか。
街にある中国人が経営する中国料理店などは身近な存在です。
技能実習生としても日本にたくさん訪れています。
では、一緒に働く仲間となるとどのような特徴があるのでしょうか?

技能実習生の中国人は2番目!


日本に住む外国人の数は約289万人で、全国11位の茨城県とほぼ同じです。
その中でも、中国人は最も多い約78万人。
これは2位の韓国(約46万人)、3位のベトナム(約42万人)を大きく引き離しています。
一方、技能実習生に限ると1位ベトナム(約20万人)、2位に中国(約5万人)と変化があります。
技能実習として日本に来るベトナム人が急増していますが、2015年頃までは中国人がもっとも多く働いていました。
逆転したとは言え、2位であり技能実習生の2割を占める中国は存在感があります。
日本全体での中国人の数も多いので、技能実習生でも一番多いと認識している日本人も少なくないでしょう。

中国人の技能実習生が減った理由とは?


数十年前までは農業中心の貧困国家とされていた中国では海外に出稼ぎする動きが盛んで、日本はその国の1つでした。
中国では海外で働いくことは、帰国後のキャリアアップになるとして「モデル」ともされていました。
しかし、経済改革により安い労働力を求めて海外企業が相次いで参入。
国内で働く場所が生まれ、少しずつ労働環境も改善されていきます。
そんな中国の経済発展と比例するように中国人の技能実習生は年々減少。
2010年~2022年のたった12年間でGDPは3倍、世界2位にまで成長しました。
技能実習生の数がベトナムに抜かれるのもこの時期です。
さらに、新型コロナウイルス流行により中国は厳しい「ゼロコロナ政策」を実施しました。
日本に渡航はおろか、国内の移動も制限され減少に拍車がかかったのです。

中国人の特徴とは?

中国は多民族文化

中国は約90%が漢民族、残りが50を超える少数民族で構成されています。
日本のようにほとんど単一民族のように見えますが、歴史的に言えば多民族です。
時代によってはヨーロッパ系の人々や遊牧民系の人々が行き交い生活していました。
時代とともに混ざり合っていったので、同じ漢民族でも遺伝子を調べると中国北部と南部では大きく違います。
使われている言葉も地域によって異なっており、言語のルーツもバラバラです。もちろん、生活している人たちの文化や風習も違います。
1つの大きな国をまとめるために「漢民族」が強調されますが、実態としては色々な国が集まっているといえるほど多様です。
さらに今では都市部と農村という差も大きくなっています。
「中国人」と一言でいうのは難しいと言えるでしょう。
それでも、似通っている要素は見つけることができます。

日本語の上達が早い

「フランス人は英語が理解できる」と思っている日本人は少なくありません。
それは文字が似ているからでしょう。
しかし、英語とフランス語はルーツが違うため、簡単に習得はできません。
むしろ、英語とドイツ語の方が似ている言語とされています。
同様に、ヨーロッパ圏からは日本人は中国語が分かると思われがちです。
日本人からすれば文法も発音も違うじゃないかと感じるのではないでしょうか。
しかし、「漢字」はある程度共通していますよね。
発音も、日本語の「音読み」は現在の中国語に近いのです。
さらに、明治時代以降に日本で翻訳された英語が中国に輸入された影響で、同じ字で同じ意味ものもたくさんあります。
日本のアニメやドラマなどは中国で見ることもでき、日本語に触れる機会も多く、比較的上達が早いと言われています。

メンツを大切にする

中国人は日本人と同じく上下関係を大切にしますが、ルールが少し違います。
日本では人事部の部長も営業部の部長も「上」であって基本的に同列です。
また、役職が自分のほうが上であっても年上であれば遠慮することもあります。
しかし、中国では自分の直属の上司以外は「上」ではないという意識があります。
直属の上司を大切にするのは、自分のメンツが大切だからと考えられます。
そのため、日本の技能実習生も他の部署の相手にはあまり畏まらないこともあります。
その分、自分の評価をする上司にはしっかりと対応します。
中国人は「素直」「言われたことをちゃんとやる」というのは、上司と自分のメンツを守るためでもあるでしょう。
言われたこと以外はやらない傾向があるのは、勝手なことをして上司と自分メンツを潰すのを避けている結果とも考えられます。
逆に自分のメンツを潰すようなことをする上司となれば、この関係は崩れてしまいます。
代表的な例は「みんなの前で上司が技能実習生を叱責する」ことです。
何がメンツに関わるのかは受入れ企業も研究しておく必要があるでしょう。

家族を大切にする

中国では宗教はあまり盛んではありません。
社会主義は宗教に批判的なので、統計を見ても無神論、無宗教、民俗宗教などが約7割となっています。
これは日本の状態と似てはいます。
一方で、儒教の影響もあり家族信仰や先祖崇拝は大切にされています。
情にも熱く気配りが上手な人も少なくありません。
高齢者に敬意を払う文化も根強いため、介護分野で活躍する技能実習生もたくさんいます。

しっかりと主張する

中国は歴史的に多民族です。
遊牧生活をする民族と農業をする民族が交易をするのが当たり前の世界でした。
このように、人種や文化が混じり合う地域ではルールを決めて、物事をハッキリさせて記録する必要があります。
多民族文化では自分の意見を主張する傾向が強くなります。
移民の国と言われるアメリカも日本人からするとハッキリと意見を言うという印象が強いでしょう。
その方が相手を傷つけたり、トラブルになることを避けたりすることができるからです。
ビジネスにもネガティブな感情はありません。
ビジネス的に物を考える傾向も強く、特に期間が数年と決まっている技能実習制度では目先の利益を優先した判断をすることもあります。
日本人にとって「意見する・ハッキリしている = ぶしつけ・不遜」という感覚が強いですが、これは分けて考えなければなりません。
中国でも遠回しで柔らかい言い回しや相手を気遣うことは当然あるからです。

中国人が日本で働く理由とは?

中国でよい就職先がないから

来日する中国人技能実習生は減ってはいますが、未だにその人数は2位です。
中国では経済発展や少子高齢化により、外国人を受け入れようという動きすらあるのとは対称的です。
では、なぜ中国人は技能実習生として日本に来るのでしょうか。
それは16歳~24歳の失業率の高さがあります。
中国では大卒が増加しホワイトカラーの仕事に人気が集まっています。
しかし、就職が難しくなり失業率は2022年1月には約8%になっています。
日本と同じく単純労働は避けられるようになり製造現場は極度の人手不足となっているのです。
そこで高度な教育を受けた中国人は先進国で働き、技術と経験を受けてから帰国しキャリアアップしようという動きが強くなっています。
これはかつての「出稼ぎ」とは違い、日本は数ある候補国の1つとして選ばれているにすぎないということです。

出世コースに乗れなかったから

出世コースに乗れなかった場合の選択肢の1つとして技能実習が選ばれる場合もあります。
中国は学歴社会であり出世コースである名門学校に入学できなければ就職も難しくなります。
学歴社会は激しく教育投資も日本と比較になりません。
将来の子どもの教育費を払えないから結婚しないという若者すらいるほどです。
もし出世コースから外れた場合、先進国に留学してそのまま留学先で就職、中国に帰国して外資系企業に就職することもあります。
技能実習では中国でノウハウがない分野に関心が高まっています。その代表が「介護」です。

中国は急速に少子高齢化が進んでいる国の1つです。
2022年には1961年以来初めて人口減少に転じました。
中国では高齢者を手厚く介護するのが一般的な考えのため、日本よりも高級路線が強い特徴があると言われています。
しかし、中国にはノウハウが不足しています。
医療と介護は似て非なるものです。
日本で看護師と介護福祉士に専門職が分かれているように、知識や技術が違います。
日本で最先端の介護スキルを身につければ、中国に帰国したとき日本での給料より多く貰える可能性もあります。
また、介護分野の技能実習は他の技能実習より日本で定住するための要件が緩いというメリットもあります。
このように技能実習制度は成功を勝ち取る方法の1つなのです。

まとめ


中国人の技能実習生はベトナムに次いで2位です。
中国の経済発展によって来日する数は減少しています。
しかし、中国国内での就職やキャリアアップの難しさから、技能実習生として日本で働くことを選ぶ技能実習生もいるのです。
日本では中国人に対して様々なイメージがあります。
例えば「中国人は損得で動く」と言うと日本人は卑しいと感じますが、歴史や文化的な背景を学んで理由を理解すれば、誤解や偏見を避けることも出来るでしょう。
ふれんど協同組合は中国人や介護分野の技能実習を長年サポートしてきた経験があります。
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