技能実習生の派遣は禁止!双方の違いを解説!

2022年2月2日   ブログ

「人材サービス」を扱う企業は、コンビニの数よりも多いと言われています。

転職、人材紹介、人材派遣など形があり、それぞれに法律や規制がされているのです。

技能実習生は、人材サービスの1つという捉え方もあります。

ですが、人材サービスの使い分けを間違うと、違法行為になってしまうのです。

 

 

 

技能実習生の派遣が禁止される理由

技能実習生の派遣は禁止されていますが、その理由を見てみましょう。

 

 

 

理由は技能実習制度のルーツにある

禁止の理由は、技能実習生制度が国際貢献の理念のもとにできていることが背景にあります。

技能実習生制度のルーツは、1960年代後半から日本企業が海外での拠点で、現地住人に働いてもらうため社員教育を行った研修制度にあります。

 

日本での技術や知識を、発展途上地域に伝えるために「人を育てよう」という考え方が、ずっと生き続けているのです。

 

技能実習制度の原型となる法律は1993年に定められ、その時から「労働力の供給の調整の手段としては行われてはならない」と記載されています。

 

 

 

技能実習生制度の「三角関係」

 

技能実習生制度は企業と技能実習生が「直接」雇用契約を結びます。

技能実習生の母国では習得ができない技術を計画的に身につけて、帰国後に活かすことを期待しています。

 

そして、技能実習生制度に登場する「監理団体」は、技能実習生と雇用関係にはありません。

技能実習生を受け入れや、受け入れた企業のサポートをする立ち位置にあります。

技能実習生、企業、監理団体の三角関係によって理念の実現を目指しているのです。

 

 

 

労働者派遣とは?

1986年に定められた労働者派遣法は、最初は専門的な業種のみが対象でした。

 

時代が進むに連れて規制緩和が進み、今では多くの業種で労働者派遣が可能となっています。

 

労働者派遣法の目的には「労働力の需給の適正な調整を図る」と書かれています。

一時的に人が足りていない、必要とされるところに労働者を送ることが認められているのです。

企業側は忙しさに応じて柔軟に人材不足を解消することができ、働く側はライフスタイルに合わせた働き方ができるメリットがあります。

 

このように、労働者派遣法は「需要と供給」の関係であり、技能実習生制度の理念と反するものなのです。

 

労働者派遣の「三角関係」

技能実習生制度と同じく、労働者派遣も三角関係で説明をされます。

 

ですが、その形は全く違うものです。

労働者は派遣会社と雇用関係を結んでいます。

 

そして、実際に働くこととなる企業に派遣されることになるのです。

 

ルーツも歴史もまったく違う2つの制度は「ある団体が人を集めて、決まった期間、ある企業で働く」という点だけみると非常に似た制度とも言えます。

 

労働者派遣の会社ですら、違いを理解ができていないという場合があります。

 

 

 

労働者派遣・技能実習制度、どっちがいいの?

技能実習生制度と労働者派遣を選ぶかは企業の考え方や状況によって左右されるでしょう。


【労働者派遣】

労働者派遣は派遣できない職種があるなどいくつか制限があります。

ですが、外国籍だけではなく日本人も広く雇用ができます。

外国籍でも永住権を取得し日本語力が高く、即戦力になる人材を活用できる可能性があります。

期間制限は設けられてはいますが、継続して働いて貰える制度や、優秀な人材がいれば直接雇用に切り替える選択肢もあります。

 

ですが、デメリットもあります

離職率が高くなりがちで、管理する手間が思ったよりもかかる可能性があります。

 

また、労働者派遣は需要と供給のバランスによって料金が決まります。

人手不足の現状では、技能実習生はもちろん、日本人の正社員に支払う金額よりもコストが高くなることが多いでしょう。

 

【技能実習生制度】

技能実習生制度は企業の人数、働くことができる期間の制約があります。

多くの企業が利用する監理団体型では、監理団体への費用、渡航費など費用がかかります。

技能実習生と直接雇用契約を結ぶため、管理責任は労働者派遣よりも重くなります。

言葉や生活習慣の違う技能実習生への対応は負担にもなるでしょう。

 

ですが、メリットもあります。まずは雇用の確保という面です。

技能実習生は転職が難しく、長い期間に渡って安定した労働力として期待できます。

 

採用コストや事務管理の労力は長期的には見れば、大きく抑えることができるでしょう。

 

また、今まで当たり前だと思っていた業務フローの見直しの機会になり、より効率的な業務を実現できるでしょう。

従業員にとっても、見知らぬ国で働く技能実習生の姿は刺激になるはずです。

 

技能実習生が出身地とのパイプ役になり、新たなビジネスチャンスになったという例もあります。

会社全体としても社会貢献をしているという自信に繋がります。

 

 

 

まとめ

技能実習制度と労働者派遣は「労働力」「三角関係」という共通点があります。

似た印象を持つかもしれませんが、生まれも育ちもまったく違う制度です。

 

経営としてどちらが良いか言い切ることはできません。

 

自社の状況とメリット・デメリットを比較する必要があります。

技能実習制度の「日本の技術や知識を伝え、貢献する」という理念に共感できるかどうかも、一つのポイントになるのではないでしょうか。