技能実習生を守るための自転車ルールとは?

2023年3月31日   ブログ

技能実習生は全国で活躍しており、人手不足の影響から地方でも数多くの技能実習生が働いています。
車での移動が一般的な地方では、自転車といえば学生や外国人労働者というほど。
今回は、技能実習生にとって大切なアイテムである自転車について見ていきましょう。

自転車は大切な移動手段

技能実習生が日本に来て最も利用するのが自転車です。
ホームセンターでは数万円で販売されていたり、使っていない自転車を譲ったりと手軽に調達できます。
技能実習生は通勤だけでなく買い物にも利用しています。
技能実習生も国際運転免許証や日本の運転免許証を取得すれば、日本国内で車を運転することはできます。
しかし、中古車であっても購入費は高く、自動車保険や税金の負担もあるため自動車を保有する技能実習生は多くはありません。
便利な自転車ですが国が違えば交通事情もまったく違います。
交通事故に遭わないように、また加害者側にならないためにも対策が必要です。

母国とのギャップが問題

歩行者優先ではない

世界では交通ルールに大きな違いはありませんが、それでも国によって違いがあります。
法律で決められていることと、実際の交通事情が異なっていることもあります。
技能実習生の母国の多くは車優先社会であることが多いでしょう。
速度超過、強引な割り込み、クラクションなど日本とは想像できないほど荒々しい交通環境にあります。
驚くことに公共交通のバスであっても、アクセル全開で走り抜けていくことがあります。
歩行者用信号が青の時間が10秒程度と極端に短く、一方で車は何分間も青という運用の地域もあります。
車に乗れる金がある人は偉いから優先されるという意識が働くとも言われています。

車線の優先も異なる

車同士のルールも異なっています。
日本の交差点では直進が優先されて、対向車線にいる右折したい車両は待っています。
交通をスムーズにするために右折レーンや右折信号が整備されているためか、無理に曲がろうとする車は多くありません。
ところが、技能実習生の母国では右折したい車両はあまり待ちません。
「先に交差点に入った車が優先される」という意識があるのです。
そのため、直進する車も交差点に近づくと減速して様子を見る運転をすることになります。

車線はあくまで目安

車線を守ろうという意識も希薄なことがあり、中央線のど真ん中を走ってくるような光景も珍しくはありません。
ときには逆走してくるようなこともあります。
日本にはない、トラックやバスのような大型車ほど優先されるルールも存在します。

信号無視は当たり前

車、自転車、歩行者かかわらず問題ないと思えば信号を無視することもあります。
日本人の「車も来てないし誰も見ていないが、信号が赤なら待っている」という感覚とは大きな違いですよね。
ただし、右折車は赤信号でも進んでよいとしている国もあります。

歩道を爆走!

日本でも歩道を自転車が猛スピードで走る危険性から、市街地を中心に自転車走行レーンの整備や周知が続けられてきました。
少しずつですが、歩道の安全性は高まって来ているのではないでしょうか。
技能実習生の母国では歩行者がいてもバイクや自転車が猛スピードで走り抜けていくことがあります。
近年では出前サービスの普及により、少しでも早く料理を届けようと無理な運転をする人もいます。
危険さを増しているのは「ながら運転」が多いことです。
出前サービスの配達員が地図アプリを確認するケースだけではなく、動画やSNSをしながら移動する一般人も多いのです。

事故の損害賠償は約1億円!?

日本で自転車が歩行者をひいて死亡させてしまった場合には、損害賠償請求されるのが一般的です。
自転車は軽車両であるため車と同程度の損害賠償金額となります。
有名な例では小学5年生が女性に衝突して死亡させたとして、母親に対して約9,500万円の損害賠償請求が命じられた判例もあります。
少なくとも数千万円もの金額になってしまうでしょう。
自転車保険に加入していればお金はカバーできるかもしれませんが、事故後の処理の手間は膨大です。
もちろん、被害者をうまないためにも安全走行をすることは言うまでもありません。

日本で守るべき交通ルール

たくさんある交通ルールの中でも、必ず技能実習生に覚えるべきルールがあります。
日本人にとっての当たり前は通じないことも少なくないからです。

  • 飲酒運転は厳禁
  • 歩行者が最優先
  • 信号を守る
  • 左側通行
  • 並列走行しない
  • 暗くなったらライトをつける
  • スマホやイヤホンを使わない
  • 二人乗りは禁止

この他にも、「二段階右折」を徹底させるようにしましょう。
原動力自転車でさえも二段階右折が必要とされることがあるので、人力である自転車は原則として二段階右折でなければなりません。
車側も自転車が交差点の中央を横切るとは想像してないので、対応しにくく非常に危険な行為です。

防犯登録は必ずしよう!

日本では自転車盗難はもっとも身近な犯罪行為の1つです。
警察庁が把握しているだけでも年間約13万件、1日あたり350件の被害が発生しています。
自転車の所有者には防犯登録をする義務があり、盗難されても早期発見に繋がります。
技能実習生にとって、防犯登録をする必要の1つは自転車が盗難品ではないと証明するためです。
東京弁護士会では警察から外国人という理由だけで職務質問が行われているという声から、独自に実態調査が行われています。
アンケートには人種差別的な態度や対応をとられたと感じるものもあります。
https://www.toben.or.jp/know/iinkai/foreigner/news/2021.html

真偽は定かではありませんが、外国人を理由として職務質問をされる可能性はあり、自転車の持ち主かを問われることは想定されます。
技能実習生本人名義か、会社名義かどちらかで登録したほうがよいでしょう。
少なくとも技能実習生が使用していても合法であるとすぐに証明できる体制が望ましいと言えます。

保険加入も忘れずに!

自転車が歩行者を死亡させた場合は高額な損害賠償が必要となります。
そこで自転車保険への加入を義務化する都道府県が多数を占めています。
車通勤する従業員が任意保険に加入しているか確認する企業は多いですが、同じように自転車保険についても確認・指導する必要があるでしょう。

まとめ

多くの技能実習生の生活に欠かせない自転車は使い方を間違えれば凶器にもなります。
日本で生活するためには、日本の交通事情やルールをしっかりと理解する必要があります。
また、技能実習生を守るためにも防犯登録や自転車保険への加入することも忘れないようにしましょう。
ふれんど協同組合では日本の文化や習慣、日常生活の指導にも取り組んでいます。
技能実習生の母国と日本の違いを理解したスタッフが丁寧に対応致します。
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