技能実習生を悩ませるゴミの分別問題とは?

2022年9月21日   ブログ

日本には資源を有効活用しようという活動が根付いています。
ごみの区分や捨て方など細かく指定されている地域も珍しくありません。
技能実習生の母国でもゴミを捨てるルールはありますが日本ほど細かくはなく、住民トラブルを起こしやすいと言われています。

今回は、技能実習生を悩ませるゴミ問題と解決方法について学んでいきましょう。

犯罪化してしまうこともある

ゴミは近隣トラブルに発展しやすい問題です。

2021年8月には大量の家庭ゴミ19袋を海岸に捨てたとして、ミャンマー国籍の技能実習生2人が逮捕されています。
彼らはゴミの分別ルールが細かすぎて、ゴミを回収して貰えずに困ったからと容疑を認めています。
たかがゴミ…と甘く見ていると廃棄物処理法に違反してしまうこともありえるのです。

実習が忙しくて2週に1回のもえないゴミを捨てることができず、ゴミ屋敷のようになってしまったという例もあります。
ゴミの問題は日本人にも起こることですが、地域によっては外国人というだけで厳しい目を向けられる場合もあります。
ご近所付き合いとして地域内で解決されにくい面もあるのです。

複雑なゴミの分別

地域によってゴミの分別ルールの細かさは違っても大枠は同じです。
日本人でも完璧にこなせるでしょうか?

  1. 燃えるゴミ
  2. 燃えないごみ
  3. 資源ごみ
  4. 粗大ごみ
  5. 危険ゴミ
  6. 小型家電
  7. 処理困難なゴミ

大きく7つに分けられ、さらに細かくなっていきます。

例えば「紙」を見てみましょう。

ティッシュペーパーは燃えるゴミですが、ティッシュペーパーの箱は資源ゴミです。
トイレットペーパーの芯は燃えるゴミに出してしまいそうで、実は資源ゴミです。
新聞、雑誌、ダンボールは別の収集車で回収されるので混ぜてはいけません。
もしかして…と思うと意外なものが対象のこともあります。

回収する曜日、時間も決まっていることがほとんどで、いつでも捨てて良いわけではありません。
ゴミの入れ方やしばり方も学ぶ必要がありますし、地域によっては指定のゴミ袋を種類別に購入しなくてはならないこともあります。

解決の方法とは?

習慣化させるには時間がかかる

日本人は難しいと感じても基本知識はあります。

しかし、技能実習生にとってはすべて確認しなくてはならず、大きな負担となっています。
技能実習生を受入れる事業所は「たかがゴミ捨て」ではなくゴミ捨ては「習得に時間がかかる難しいもの」だと意識を変える必要があります。

母国語の資料を見せる

日本人が想像するよりも難しいゴミの捨て方。
日本人向けパンフレットを渡すだけでは十分に理解することはできません。
地域によっては外国人向けの冊子を用意していることもあります。
地域で整備されていない場合は基本的なルールについてYouTubeなどで公開されている母国語の動画を見せるのもよいでしょう。

社内講習を行う

資料で読むのと実際に見て学ぶのとでは理解度に違いがでます。
ゴミのサンプルを用意して技能実習生に分別を実際にやってもらいましょう。

基本的なものだけではなく、少し頭をつかうものまで用意するとよいでしょう。
講習だけの時間が作れない場合は、技能実習生の寮で何度か仕分けを手伝ってあげるのも方法の1つです。

業務内容を学んでもらうのと同じように教え、やり方が分からなければ聞いてくるように伝えておかなければなりません。
近所トラブルが起きてしまってからの対応やゴミを溜め込んでしまってから片付けるのと比べれば短い時間で済むはずです。

自治会に参加して環境を整える

ゴミ捨て場の管理を行っているのは地域の自治会(町内会)です。
自治会は住人が過ごしやすい環境を作るためにあります。
もちろん、地域に住んでいる外国人とよい関係を維持したいと考えてもいます。

そこで技能実習生も自治体の活動に参加することで、どんなことに困っているか自治会に伝えることができます。
地域によっては外国人の参加により母国語の表記整備や、ゴミの分別支援が行われている例もあります。

また自治会には町会議員や市議会議員との関係があります。
自治会を窓口に議員に困っていることを伝えることで、地域の行政に働きかけることもできるようになります。

技能実習生は数年しかいないと思われがちですが、特定技能制度や長期滞在が可能な国家資格取得という形で長い付き合いになる例が増えることが予想されています。
新たに来日してくる技能実習生や外国人が住みよい環境は日本人にとっても住みよいと言えるのです。

まとめ

たかがゴミ捨てと思っていると技能実習生が不法投棄で警察に捕まってしまうこともありえます。
日本人が想像するよりもゴミ捨ては難しく、何度も教えないと身につけることは難しいと思っておきましょう。
少しでも早く身につけるためには母国語の資料や社内講習もよいでしょう。

ふれんど協同組合では技能実習生が日本のルールに馴染めるように支援を行っています。
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