改めて確認しよう!技能実習生を受けれるために必要な準備と資格、受け入れ可能人数

2022年7月22日   ブログ

技能実習生を受け入れたいけれど、どんな準備をすれば良いかわからないという企業も多いかと思います。

そこで今回は、技能実習生受け入れるための要件や必要な準備、受け入れ可能人数について説明していきます。
既に受け入れを始めている企業も再確認の意味でチェックしてみてください。

1 技能実習生を受け入れるための要件

まず、受け入れのための要件を確認しましょう。
企業が技能実習生を受け入れるための要件は以下の6つ(1-1~1-6)です。

1-1法律の定める欠格事由に該当しないこと

これは簡単に言えば、労働・出入国・技能実習制度に関する法(関係法律)を犯したことがないこと、ということです。
具体的には次の2点に該当すると欠格事由になります

①禁錮以上の刑に処せられたことがある

②技能実習法、その他出入国または労働に関する法律に違反し、罰金刑に処せられたことがある

➁に関しては、さらに詳しく以下のように定められています。

(技能実習法)
技能実習計画の認定を取り消された日から5年を経過しない者(企業)

(出入国・労働に関する法令)
出入国又は労働に関する法令に関し不正または著しく不当な行為をした者(企業)

それ以外にも次のような処分を受けたことがある場合も欠格事由に当たります。

③暴力団関係法、刑法等に違反し、罰金刑に処せられたことがある
当然ですが、フロント企業など、暴力団が関与する企業の受け入れは認められていません。

④社会保険や労働保険各法において、事業主としての義務に違反し、罰金刑に処せられたことがある

上記➀~④のいずれかの法を犯している場合、刑の執行から5年以内は技能実習生の受け入れができません。

1-2申請者・役員等の適性

受け入れの申請者や役員等の適性についても問われます。
まず、申請者は次の1〜3のいずれでもないことが求められます。

  1. 被保佐人
  2. 成年被後見人
  3. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

☆ワンポイントワード解説
被保佐人・成年被後見人…どちらも精神障害等によって裁判所から判断能力が不十分であると審判を受けた人を指します。

また、役員についても1-1の欠格事由に該当しないことが求められます。
以上のように、技能実習生を受け入れるには厳しく企業倫理が問われます。

1-3技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員を配置

技能実習生受け入れのためには、「技能実習責任者」「技能実習指導員」「生活指導員」の配置も必要です。
以下、それぞれについて説明します。

➀技能実習責任者
常勤の職員で、技能実習生に関わる職員の監督や実習の進捗状況の管理などを行います。
「技能実習指導員」や「生活指導員」を監督する立場でもあります。
技能実習責任者となるには、過去3年以内に養成講習を受講しておく必要があります。

➁技能実習指導員
常勤の職員で、技能実習生に実際の業務を教え、指導をします。
当該業務の実務経験が5年以上必要です。

➂生活指導員
常勤の職員で、技能実習生の日本での生活を指導します。
実習生の生活状況を把握し、指導だけでなく、時に相談に乗ることも求められます。

1-4住居を確保

技能実習生を受け入れるには、彼らの住居を確保する必要があります。
アパートや戸建てを借り上げたり、企業が所有する社宅を提供するのが一般的です。

なお、住居の広さは1人あたりのパーソナルスペースが4.5㎡以上と法律で決められています。

1-5正当な賃金と保険加入

技能実習生にも日本人の職員と同等以上の賃金を支払う必要があります。
逆を言えば、それが支払えないのであれば、受け入れはできません。
技能実習生は、都合の良い安い労働力ではないからです。

また、健康保険や労災保険などの社会保険への加入も義務付けられています。

1-6帳簿を作成・保管

技能実習生を受け入れるにあたり、以下の帳簿を作成し、1年間保管することが義務付けられています。

  • 技能実習日誌…技能実習生への指導内容を記録した日誌
  • 認定計画の履行状況に係る管理簿…技能実習の状況を管理する帳簿

2 受け入れ可能人数

技能実習生の受け入れ可能人数は受け入れ方式や技能実習生の段階によって変わります。
団体監理型の場合の技能実習1号・2号の受け入れ人数は以下の表の通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

基本人数枠とは、通常の実習実施者(受け入れ企業)が1年間に受け入れられる技能実習生1号の人数のことで、常勤職員の総数に応じて決まります。
上の表でいうと、1号の受け入れ人数がそのまま基本人数枠となります。

3 「優良な実習実施者」の受け入れ可能人数

「優良な実習実施者」に認定されると、受け入れ可能人数は上の表の2倍に増えます。

また、実習自体も2号から3号への移行が可能になり、技能実習生に、最大で5年実習してもらうことができます。
長く働いてもらえることは企業にとってもメリットになります。

なお、3号の受け入れは基本人数枠の3倍まで可能です。
ただし、「優良な実習実施者」であっても、以下の人数を超えた受け入れはできません。

  • 技能実習1号・・・常勤職員の総数
  • 技能実習2号・・・常勤職員の総数の2倍
  • 技能実習3号・・・常勤職員の総数の3倍

ですから、常勤職員が30人以下の「優良な実習実施者」(企業)の1号の受け入れ可能人数は基本人数枠で考えると6人(基本人数枠3人×2倍)ですが、常勤職員が5人しかいない場合は5人までとなります。

3-1「優良な実習実施者」に認定されるために

優良認定を受けるためには、認定の是非を判断するための、配点がなされた評価項目において、6 割以上(150点満点90点以上)の得点が必要です。

ポイントは「技能等の修得等に係る実績」(過去3年間の基礎級、3級、2級程度の技能検定等の合格率等が問われる)という項目です。
この項目は配点が70点なので、ここで出来る限り得点することが大切です。
そのためにも過去3年間で3級程度の技能検定等の合格者を3名以上出しておきたいところです。
技能実習生を受け入れたらそこを目標に実習を進めていくのも良いでしょう。

まとめ

今回は技能実習生受け入れのための要件や、受け入れ可能人数について説明しました。
しっかり準備を整え、技能実習生とwin-winの関係を築けるようにしましょう。