技能実習生は監理団体に「手配して」といえば来るものではありません。
技能実習生と企業は契約を結びますので、テストや面接をして採用をします。
長年、一緒に働くことになる仲間は慎重に決めなければなりませんよね。
ここでは、技能実習生の面接についてご紹介します。
面接までの流れ
面接から契約までの基本的なパターンを確認しましょう。
これは一例で項目が増えること、実施順序が前後すること、また実施しないこともあります。
選考の流れ
- 筆記テスト・体力チェック
- グループ面接(人数が多い場合)
- 個人面接
- 家族面談
- 雇用条件説明と契約締結
日本人の採用と大きくは変わりません。
もちろん、技能実習生特有の項目もあります。
では、これから細かく見ていきましょう。
選考をどこで行うのか
技能実習生の選考は現地の送り出し機関で行います。
ほとんどの場合、面接官は2名以上で、2泊3日ほどで日本から向かうことになるでしょう。
もし、日程が合わない場合には、インターネット上で面接を行うこともできます。
ですが、可能な限り現地で実際に会ったほうがよいでしょう。
細かいニュアンス、雰囲気など得られる情報量は雲泥の差があります。
現地であれば面接時間外の自然な姿も見ることができるかもしれません。
技能実習生は最長5年間と長く、費用も多くかかります。
ミスマッチを防がなければなりません。
また、現地の状況を経験することで、その国の文化、習慣、気候などを知ることができます。
資料として知ることと、実体験も大きく差が生まれます。
これは技能実習生が来日したときの体制作りやフォローなどにも活かされるでしょう。
選考を始める前にすること
日本国内で通常の採用する場合には、採用する人の性格、スキル、目標などを想定しているのではないでしょうか。
技能実習生についてもあらかじめ、考えておきましょう。
現地には数名で向かうことが多いですよね。
選考基準を一定にするために、チェックリストなどを作成して、社内で共有をするのもよいでしょう。
筆記テストや体力テストなど
日本国内でも広く行われている筆記テストを実施します。
計算問題
基礎的な問題がメインです。
業務で求められる水準をクリアできているかチェックできます。
また、解き方を見ることで、要領の良さや粘り強さなどを知ることもできるでしょう。
知能指数を図るテスト
文章読解や、図形問題などで問題解決力をチェックします。
性格テストやクレベリンテスト
価値観、能力の特徴、性格や行動をチェックします。
体力テストは技能実習生特有ともいえます。
基礎体力を懸垂や重量物上げなどで測ります。
細かい作業が想定される場合は、手先の器用さをチェックするテストも実施します。
企業の特性に応じて、重視する点は変わります。
面接ではなにを見るのか?
面接では通訳が伝えやすい質問にしましょう。
重要な質問については繰り返し、聞き方に変化をしながら確認が必要です。
明らかに重要な確認であっても「大丈夫」と返答してくる候補者が多いからです。
では、面接で聞くことの多い質問を見てみましょう。
日本に行きたい動機
わざわざ海外である日本で長期間働くには理由が必ずあります。
出稼ぎとして働きたいだけなのか、しっかりとした理由があるのかを見極めなければなりません。
そうでないと、来日してすぐに失踪ということもありえます。
自身の言葉なのか、テンプレートなのかは質問を深くすればわかります。
もし本人に意志があれば、答えは返ってくるでしょう。
将来の目標
「日本でしたいことは?」と聞いても、良い答えは帰ってこないでしょう。
遠い国のことなので、想像ができないからです。
それよりも、日本から帰国したら何をするのか、長い目での将来設計を聞いてみたほうがよいでしょう。
過去の職歴
候補者の職歴はさまざまです。
大学を卒業した銀行員や、物流倉庫の管理者などしっかりした職歴であることも多いでしょう。
業務への質問を通じて、候補者の人間性や協調性を見ることができます。
例えば、仕事でのトラブル時の対処法や、同僚への対応、長所などです。
できるだけ「人柄」を見るようにするとよいでしょう。
健康状態
持病があるかはよく確認をしましょう。
過去に大きな病気をしており、日本に来てから再発して働けなくなる例もあります。
その他、通院歴や治療中のものがあるかも確認しましょう。
家族の理解
国内に残される家族の理解は必須です。
そうでないと、途中帰国ということもありえます。
会社説明や契約時に、家族とも同席してもらうのも方法の1つです。
トラブル解消と共に、信頼関係も高まるでしょう。
技能実習生に伝えておくこと
業務内容
具体的に伝えなければなりません。悪い話ほど隠さずしましょう。
例えば、重量物をずっと扱う、高所での作業がある、汚物を扱うこともある、深夜労働の有無、野外での悪天作業、残業についてなどです。
休日や帰省について
業種によっては休日が少ないことがあります。
気にするかは性格や文化にも左右されますが、トラブルの原因にもなりがちです。
また、帰省についても伝えましょう。
一斉休業ではない企業では特に注意が必要です。
賃金面について
来日後の代表的なトラブルは「賃金」です。
現地の送り出し機関が十分に伝えていないことがあるからです。
リアルな支給金額と税金や住居費などの控除金額をはっきりさせます。
具体的に、どのくらいが手元に残り、現地価格に換算するとどれぐらいかを伝え、ギャップを防ぎましょう。
まとめ
技能実習生の面接は日本国内と大きくは変わりません。
選考で海外から日本にくることで生まれる「ギャップ」を減らすことが重要です。
基本的には、現地に行って選考するのがオススメです。
面接では本人にしっかりとした意志があるかを見極めることが大切です。
そして、重要なこと、大変なことは、繰り返して確認をするようにしましょう。