準備しよう!監理団体との【監査】と【事前用意】

2022年3月14日   ブログ

技能実習生と切っても切り離せないのが「監理団体」。
監理団体は技能実習生と会社のフォローをしてくれる存在です。
技能実習生の担当者にとって、監理団体と一番コミュニケーションを取る機会が、「監査」です。
では、監査とはどんなことをするのでしょうか?

 

 

監査の種類とは?

監理団体が受け入れ企業に対して行う監査には2種類あり、頻度が違います。

技能実習1号が在籍する場合は30日以内に1回、監査を行います。
これは日本に来たばかりの技能実習生へのフォローの意味合いもありますし、初めて技能実習生を受け入れる企業にとってもトラブルが多発する時期でもあるので、相談の機会としても機能しています。

もう1つが技能実習生2号と3号についてで、3ヶ月に1回となります。
すでに1年以上日本で生活し働いているので、チェックすることや相談も減っていくからです。
監理団体によっては、2号と3号であっても習熟度確認や生活相談のために個別に巡回を行うこともあります。
監査の結果、企業に違反の疑いがあれば、追加の監査が企業に行われます。

 

 

監査はどこをチェックしているの?

監理団体は企業が実習計画に沿って行われているか、定められた法令に違反していないかをチェックをしています。
具体的には何をするのでしょうか。

 

1.実施状況を実地で確認

実際に作業の状況をみて状況を確認します。
技能実習生が定められた業務を行っているかが焦点になってきます。
また、定められた業務を行っているだけではなく、時間配分も問われます。

実習計画は時間数の割合が、必須業務が1/2以上、関連業務が1/2以下、周辺業務が1/3以下でなければなりません。
必須業務のうち1/10以上が安全衛生に充てられている必要もあります。
監査は受注状況や製品の納品状況など多角的に検証をして適正かどうかの確認を行います。

 

2.技能実習の責任者や指導員からのヒアリング

現場の視察だけではなくヒアリングも行われます。
技能実習生を直接指導している指導員は、職長であることが多いでしょう。
監理団体が現場状況をより具体的に把握するために行われています。
ヒアリングから実習計画と齟齬がないかだけではなく、技能実習生の習熟度、勤務態度、メンタル状況をチェックします。

 

3. 技能実習生の4分の1以上との面談

監査時には技能実習生と面談も実施されます。
技能実習生の在籍人数が多い企業もあるため、全員ではなく1/4以上でも認められます。
ですが、年4回の監査で全員と面談を行うのが良いとされています。

技能実習生からの相談や悩みを把握することも目的にしています。
深刻な相談に対応する必要もあるので、日本語力に合わせて通訳が同席する場合もあります。
この場でも適法に実習が行われているかのチェックが行われています。

 

4. 会社の設備、帳簿書類などを閲覧すること

会社の設備や機器が実習計画に適したものであるか、安全性について配慮されているかを確認します。
帳簿書類は賃金台帳、タイムカード、日誌が対象になります。
勤務時間と賃金支払の整合性や、日記から違法性が無いかを検証しています。

 

5.住居環境の確認

技能実習生の住居には指導要領により基準が定められています。
それに適合しているかを確認します。
他にも衛生上の問題など快適な環境が整えられて、技能実習に支障がないかが問題となります。

監査によって違反が明らかになった場合、認定の取り消しとなります。
今まで見てきた「実習計画ではない業務をさせている」「入出国・労働の法律に違反した場合」だけではなく、「役員が禁固刑となった場合」「嘘の書類や答弁をしたとき」「改善命令に従わない時」なども対象となります。

 

 

監査前には何を用意しておくのか

定期的な監査で用意する書類は難しいものはありません。

監査実施前に少し時間があれば用意ができるでしょう。

 

1.賃金台帳とタイムカード

給与支払いが適正に行われているか、有給休暇の取得がされているか、残業時間が多すぎないか、不自然な欠勤が無いか確認に使われます。
給料計算時に作成する資料をコピーしておくだけで済むでしょう。

 

2.技能実習日誌

技能実習生がどんな仕事を行い、何を教育されたか、誰が指導したかを毎日記録します。
記入は多くは職長など現場寄りの人でしょう。
毎日のことなので、気付いたら1ヶ月以上書くことを忘れてしまったという例もあります。
仕組み化をして監査前に慌てないようにするようにしましょう。

 

3.認定計画の履行状況に係る管理簿

技能実習の進捗状況、日本語の習得状況、労災事故や法令遵守がされているか、技能実習生の生活状況をチェック方式で記入します。

書類上用意するものに気をつけるだけではなく、実習計画が適正に行われているか、日々現場の確認をしておかなければなりません。

 

 

まとめ

技能実習は技能実習1号では30日以内、2号と3号では3ヶ月以内に1回のペースで行われます。
技能実習以外の仕事に就いていないか、違法な労働環境ではないかをチェックされることになります。
準備には適切な技能実習が行われているなら、大きく時間はかからないでしょう。
逆に違法であれば技能実習の取り消し処分もありえます。

監査は企業と監理団体の貴重な情報交換の場でもあります。
監査を有意義な時間とすることで、よりよい環境づくりを目指しましょう。