技能実習生の【食生活】知っておきたい文化の違いを解説

2022年3月15日   ブログ

人間は誰もが食事をしないと生きられません。
食事という当たり前のことですが、技能実習生の食事事情はどうなのでしょうか。
大切な食事について、おろそかにしていると思わぬトラブルになりかねません。

 

 

技能実習生は自炊派?外食派?

技能実習生の食事は自炊する人が多いと言われています。
理由はコストが安くなるからです。
何人かで共同生活をしている場合は、食材を大量に買うことができます。
人数分を一気に作ってしまったほうがラクという理由もあります。

自炊を選ぶのは「味」も要素の1つです。
日本人でもイタリアや東南アジアなど他国の料理を食べることがありますが、日本人の好みに合った食事を基本にしています。
毎日食べるならお米、醤油、味噌をベースにした食事ではないでしょうか。

技能実習生も「毎日食べる気がおきる」のは母国料理です。
食べ慣れた料理を食べるには、自炊しかないという現実的な問題があるのです。

給料を母国への仕送りや貯金に回したいと思う技能実習生が多く、食費は安ければ安いほど良いと考えているようですが、全員がそうではありません。
手取り金額が多く生活に余裕のある技能実習生もいるからです。

余裕があれば少し贅沢をしたくなるものですよね。
コンビニを気軽に使うようになったり、ファーストフードを利用したりする頻度が増えていきます。
この程度なら問題はありませんが明らかに外食ばかりなら、どこからかお金を借りている可能性もありえますので注意して見てみましょう。

 

 

どこで買い物をしているの?

外食が多くなってもやはり自炊がメインですが、食材はどうしているのでしょうか。
多くは近くの格安な品揃えの食品店で購入しています。
日本では見かけない母国の食材は、多国籍スーパーで購入ができます。
地域にない場合はインターネット通販で購入することもあります。
母国の親戚や友人から送って貰うこともあります。

 

 

不健康な食事への注意

食事は健康の基礎であり、1日3回、栄養バランスのとれたものでなければなりません。
しかし、技能実習生は不健康な食事となりやすい可能性があります。
日本人でも若者は油っぽいものやファストフードを好む傾向がありますよね。
技能実習生も年齢が若いことが多く、野菜を摂らなかったり、食事を抜いてしまったりすることもあります。

日本は学校教育に栄養学や調理が含まれており、日本食は比較的カロリーが低く、ある程度自制が働きやすい土壌があります。
一方、食の教育がされる国も少なく、会社側が食事状況をチェックする必要性もあるのです。

チェックは外食だけでは不十分です。
お弁当を持ってきていてもほとんど米だけや、仕事後は疲れてしまって食事の用意ができない技能実習生もいます。
仕事の効率に影響もあるので業務上の安全衛生指導の場で、食事も含めて指導をするのが良いでしょう。

 

 

社食について

従業員全体の福利厚生や、技能実習生の体調管理の面からも社食を採用する例もあります。
カフェテリア式、食券式、お弁当式などスタイルはさまざまですが社食にも注意が必要です。

宗教には特定の動物や食材を食べてはならないとするものがあります。
しかも、同じ宗教に属していても緩さは違います。
ダメだけどさほど気にせず食べる地域もあれば、屠殺方法や調理方法まで細かく定められている地域があります。

同じ地域出身の技能実習生だけを雇用しているなら、対応ができるかもしれません。
ですが、ベトナム、スリランカ、フィリピンなどさまざまな地域から技能実習生が来ているのなら、対応は難しいでしょう。
宗教上の理由から、自炊をしてお弁当を職場に持ってくる技能実習生もいるのです。

だからといって、社食による取組みは無駄ではありません。
会社側が宗教面を判断するのは難しいので、本人が自由に選択できるようにしましょう。

ただし、食事代を給料から天引きするには労使協定を結んでおかなければなりません。
検討している場合は、就業規則等の確認もしましょう。

 

 

食事のマナー

日本人はお茶碗を持って食べますがマナー違反とされる地域もあります。
出されたものを全て食べるのが失礼かどうかも、国により価値観が分かれます。
ささやかなものならトラブルにはなりません。
ですが、「肘をついてはダメ」など不快感を持たれるものは、本人のためにも教えてあげたほうが良いでしょう。

 

 

食事会や文化交流

食事は異文化コミュニケーションとして活躍します。
お互いの伝統料理を披露し合うという場を設けるのも良いでしょう。
日本では滅多に見かけない食材や、意外な食べ方を知ることができるかもしれません。
特に日本に来たばかりの技能実習生とは距離を縮めるチャンスです。

差し入れは何が良いでしょうか。
母国では手に入らないものや、現地で日本よりも高い値段で売られているものが喜ばれるでしょう。

例えば、外国では偽物も多いウイスキーです。
もちろん、お酒が苦手な人もいるので、何が好きか聞いてみると意外な答えが返ってくるかもしれませんよ。

 

 

まとめ

外国に住んでいても食べ慣れた味でないと我慢ができない人は多くいます。
食費を抑えながらも健康でおいしい食事が理想ですが、不摂生な食生活になってしまうこともあります。
不摂生な食事で健康を害し、業務にも支障がでるのは防がなければなりません。
声掛けや指導機会に絡めて確認するのが良いでしょう。

食事はお互いの距離を縮めるツールにもなります。
文化・風習を知れば誤解が解けたり、新しい発見があったりするかもしれませんよ。