【外国人材を知ろう】在留資格「特定活動」とは?

2022年10月12日   ブログ

日本には29の在留資格があり、技能実習と特定技能もその1つです。
在留資格には目的別に分かれていて就労の可否にも影響してきます。
今回はここ数年、技能実習生にも関係があった「特定活動」について見ていきましょう!

特定活動の役割とは?

在留資格は4つに分かれる

29種類ある在留資格は、大きく4つに分けることができます。

①就労が認められる在留資格

外交、高度専門職、研究、教育など19種類が該当し、技能実習や特定技能もここに含まれています。
在留資格によって在留期間をはじめ細かな制限がされています。

②就労が認められない在留資格

留学、研修、短期滞在、文化活動、家族滞在の5つが該当します。
日本への観光客も含まれていることからも、原則として就労することはできません。
入国管理局から資格外活動許可を得ていればアルバイトすることができる在留資格もあります。

③就労できるかは個別に判断される在留資格

特定活動はここに該当します。
外交官の家事使用人、ワーキング・ホリデー、経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者が代表例です。在留期間は5年を超えない範囲で指定されます。

④身分・地位に基づく在留資格

永住者、日本人の配偶者など、永住者の配偶者など、定住者の4つが該当します。
血縁がある者を守るためのもので実子、特別養子、日系3世も含まれています。
活動制限がされていないのも特徴です。

柔軟に外国人を受入れるための特定活動

特定活動は一律にルールが定められている以外に、ケース・バイ・ケースで対応できるのが特徴で重要性を増しています。
それは国際的な活動が多様化し今までの在留資格に分類できないものや、想定できない事態が増えているからです。
例えば、アマチュアのスポーツ選手やスキーインストラクターは履歴書、雇用契約書、出場記録などを添付して申請者を提出します。
医療を受けるために来日する人は病院への支払いに関する証明が必要になります。

いざというときの在留資格でもある

日本には難民法など外国人への対応する法律がありますがカバーしきれないこともありますよね。
しかし現代の国家では法律がないと助けてあげることができません。
「その他」として考えられる特定活動は行政機関がスピーディーに対応できるように用意された枠でもあるのです。

特定活動には3つの種類がある

出入国管理及び難民認定法に規定されているもの

個別に審査する特定活動にも法律で定められているものがあります。

・特定研究活動

研究施設で特定分野の研究、指導、教育をするための活動です。
研究だけではなく経営活動も含まれています。
許可を受けるためには大学卒業や10年以上の実務経験、日本人と同等以上の報酬を受けるなどの要件もあります。

・特定情報処理活動

自然科学または人文科学の技術や知識を必要とする情報処理業務に従事する活動です。
特定研究活動と同じく技能や報酬について要件が定められています。

・特定研究等家族滞在活動及び特定情報処理家族滞在活動

上記の2つの資格で在留している家族向けの活動です。

告示特定活動

法務大臣が一定の事項を広く国民に周知させる行為のうち、「法令、条例又は規則に基づいて公示するもの」として定めているものが告示特定活動です。
新型コロナウイルスによる制限などそのときどきで変化があります。
令和4年3月時点では以下の通りで感染拡大前よりも大幅に少なくなっている状態です。

  • 台湾日本関係協会職員及びその家族
  • 駐日パレスチナ総代表部の職員と家族
  • アマチュアスポーツ選手と家族
  • インターンシップ
  • イギリス人のボランティア
  • サマージョブ
  • 国際文化交流
  • 二国間の経済連携協定(EPA)の看護師・介護福祉士関係
  • 建設就労者
  • 高度専門職外国人と配偶者
  • 造船就労社
  • 特定研究等活動と家族・親
  • 製造業外国従業員受入事業における特定外国従業員
  • 日本の大学苧を卒業した者とその配偶者など
  • 国家戦略特別区域法に規定される特定家事支援活動・特定農業支援活動

告示外特定活動

前項で紹介した「告示特定活動」に該当しないけれど、個別のケースに対応して作られたものが「告示外特定活動」です。
技能実習生とのかかわりがある例として、以下のケースがあります。

  • 技能実習生で技能検定等を受検することができないために次段階の技能実習へ移行することができない方
  • 技能実習2号を修了する方で、「特定技能1号」への移行のための準備が整っていない方
  • 「技能実習」または「特定活動」での在留資格をもって日本に在留中で、帰国が困難であるため今までと同じ業務での就労を希望する方

技能実習生と特定技能の関係とは?

新型コロナウイルスでの救済処置として活躍

告示外特定活動では技能実習生に対して特別的な取扱いがされています。
新型コロナウイルスの感染拡大により実習が修了したのに母国に帰国できない技能実習生が数万人も発生してしまったのです。
さらに、営業自粛など業績悪化により技能実習生を雇用し続けることが難しい事業者も増えてしまいました。

そこで、帰国できる環境が整うまでの暫定的な在留資格として特定活動が認められたのです。
また新型コロナウイルスの影響により解雇された技能実習生には、最大で1年間就業可能な特定活動への在留資格の変更も認められました。
特定活動は新型コロナウイルスの影響を受けない業界で働けるように、実習とは違う業界業種でも就労ができるという特徴があります。

帰国困難を理由とした許可は縮小傾向

感染拡大が収まりつつあり海外旅行客の受入枠拡大がされ、技能実習生の帰国便も増えてきました。
それにともなって特定活動の許可も期間が短くなったり、更新がされなくなったりし始めています。
告示外特定活動は例外的なものなので必要がなければ縮小されていくのです。

まとめ

特定活動は柔軟に外国人を受入れたり、トラブルのときに例外的に救済したりするための在留資格です。
法律で決まっているものもあれば、1人1人を審査して判断されることもあります。
新型コロナウイルスで帰国できなくなった技能実習生にとっては、日本で生活するために無くてはならない存在でした。
今後もさまざまなケースで予期せぬ事態の助けとして活躍してくれるでしょう!

ふれんど協同組合では、技能実習生の在留資格の手続きや緊急時の対応も行っています。
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