技能実習生と関わりの深い「送り出し機関」とは?

2022年10月13日   ブログ

技能実習生にはさまざまな組織や機関が関わっています。
「送り出し機関」もその1つ。
技能実習生を受入れ事業所とも深い関係があります。
日本で活動する監理団体と違って身近な存在ではないので、どんなことをしているのかよく知らない…という人も多いのではないでしょうか?

送り出し機関ってなに?

外国から日本にやってくる技能実習生。
彼らが日本に来るために現地で活躍しているのが送り出し機関です。
「送り出し機関」という言葉は技能実習制度以外でも使われていることがあるので注意しましょう。
送り出し機関は技能実習制度にとって重要な役割を持っているため、適正な機関だけが認定されています。
技能実習生に関する法律の「規則」には下記の通り公的機関の推薦を受けるなどの要件が定められているのです。

  • 所在する国または地域の公的機関から推薦を受けていること
  • 技能実習生などから徴収する手数料等の算出基準を明確に定めて公表し、技能実習生に明示して十分理解させることができること
  • 送り出し機関やその役員が過去5年間に犯罪で捕まっていないことや、違約金の設定や文書捏造など違法行為をしていないこと
    (全10項目の中から一部抜粋要約)

このような取り決めは日本と各国ごとに結ばれているため内容は一律ではありません。
また、ベトナムやインドネシアのように二国間での取り決めがされている国もあれば、中国やペルーのように結ばれていない国もあります。

送り出し機関の役割とは?

技能実習生候補者の絞り込み

技能実習が行うことが可能な職種は80を超えており適した人材を探さなければなりません。
送り出し機関は年齢、経歴、志望、適正などを考慮して技能実習生を選抜する役割があります。
本人が要件を満たしているかだけではなく、家族との関係などさまざまな要素も確認していきます。

現地での出国までの手続き

受入れ事業所との面接などを経て採用が決まると、監理団体と連携しつつ日本へ向かうために、パスポート申請や出国に必要な書類など手続きを行います。
また、健康診断も行い日本の入国審査に備えます。

日本語や文化の教育

採用が決まっても日本へ向かうまで数ヶ月はかかるのが普通です。
その時間を利用して日本語の学習はもちろん、日本の文化や習慣、基本的な業務知識を学びます。
事前教育は受入れ事業所との採用試験の前に実施される場合もあり、成績がよい候補生だけが採用試験へと進むことができるのです。

技能実習中のフォロー

日本で技能実習生が実習中であっても、送り出し機関は保護のための活動を行います。そのために常に状況把握に努めています。日本でトラブルが発生したときの対応や、技能実習生からの相談にも応じています。

帰国時のフォロー

技能実習の修了後、帰国の対応も送り出し機関が行っています。
また、帰国してからの就職先を探す支援、日本で支払った所得税の還付や厚生年金の脱退一時金手続きもサポート。
事務的な支援だけではなく、母国の家族への連絡など細かなフォローも行っているのです。

調査への対応

日本の厚生労働省などは技能実習生の実態や帰国後の動向について定期的に調査を行っています。
技能実習と日本を繋ぐポジションにある送り出し機関は調査に協力しています。
技能実習生の現状を正確に把握することでよりよい技能実習の実現する力になっているのです。

送り出し機関の注意点とは?

受入れ事業所にとって日本にいる監理団体と違い、送り出し機関は遠い存在に感じますよね。
「送り出し機関とのやりとりは監理団体にお任せ…」という受け入れ企業がほとんどでしょう。
しかし、技能実習生が抱えるトラブルは現地に原因があることもあるのです。

例えば実習生が現地のエージェントに紹介手数料を払っていたり、送り出し機関へ支払う料金を工面したりするために多額の借金を背負っていることがあります。
現地の法律で定められている適正な範囲なら仕方がありませんが法外な例もあります。
日本での給料や労働条件を正確に伝えない、詐欺のような現地団体もあるのです。
そこで送り出し機関にも注意をしなければなりません。
技能実習生が日本に来てからでは受入れ事業所ができることはほとんど無いからです。
では、送り出し機関を見極めるためのポイントを見ていきましょう。

  • 行政から認定されている送り出し機関である
  • 受入れ事業所への料金が日本と相手国との取り決めや法律に則っている
  • 技能実習生に必要以上の費用を請求していない
  • 送り出し機関側が日本の法令を理解している
  • 現地にいる送り出し機関のスタッフに日本で働いた経験者がいる
  • トラブルに対応できる送り出し機関の拠点が日本にもある
  • 他の受入れ事業所とトラブルが発生していない

まとめ

自分たちに合った人材を選定したり、現地での手続きを行ったりする送り出し機関は受入れ事業所にとって重要な存在です。
しかし、悪質な送り出し機関を通すと技能実習生を受入れた後に大きなトラブルになってしまう可能性が非常に高くなってしまいます。
そこで送り出し機関を利用したことがある団体に問い合わせみるなど調査をするのも有効でしょう。

ふれんど協同組合では実績のある送り出し機関と連携し、受入れ事業所に適った技能実習生とのマッチングを実現しています。
もし技能実習生・特定技能制度へのご相談や関心がありましたら、まずはお気軽にお電話またはメールフォームから問合せください!